RLCインピーダンス計算
計算結果
インピーダンス
- 誘導リアクタンス
- 3.142 Ω
- 容量性リアクタンス
- 31.831 Ω
- 位相角
- -70.783 °
- 共振周波数
- 159.155 Hz
RLCインピーダンス計算ツールです。直列回路の抵抗・インダクタンス・静電容量・周波数を入れると、インピーダンス、2つのリアクタンス、位相角、共振周波数を読み取れます。回路が純抵抗でなくなると、抵抗の代わりを務めるのがインピーダンスです。電圧と電流の比という意味は変わりませんが、部品だけでなく周波数にも依存し、電流は電圧とそろわなくなります。同じ3つの部品が、50 Hzでは30.382 Ω、1 kHzでは62.051 Ωを測ります。回路は何も変えず、駆動する速さだけを変えたときの話です。このページは10 Ω・10 mH・100 µFという、部品に印字されている値から始まり、インピーダンスと2つのリアクタンスをオームで返すので、どちらが効いているかが見えます。
1つの回路を10 Hzから1 kHzまで掃引した表
| 周波数(Hz) | 誘導リアクタンス(Ω) | 容量性リアクタンス(Ω) | インピーダンス(Ω) | 位相角(°) |
|---|---|---|---|---|
| 10 | 0.628 | 159.155 | 158.842 | -86.391 |
| 50 | 3.142 | 31.831 | 30.382 | -70.783 |
| 100 | 6.283 | 15.915 | 13.885 | -43.927 |
| 159.155 | 10 | 10 | 10 | 0 |
| 200 | 12.566 | 7.958 | 11.011 | 24.743 |
| 500 | 31.416 | 3.183 | 29.952 | 70.496 |
| 1000 | 62.832 | 1.592 | 62.051 | 80.726 |
抵抗は10 Ω、部品は10 mHと100 µFで、どの行も同じです。変えているのは周波数だけで、それこそがこのページの主張です。4列目は158.842から最小値の10まで下がり、それから62.051へと戻りますが、部品は1つも触っていません。2列目と3列目を並べて読むと理由が見えます。10 Hzでは容量性リアクタンスが159.155 Ωで支配的、1 kHzでは誘導リアクタンスが62.832 Ωで支配的、真ん中の行では両者が10 Ωずつで出会います。その行が共振周波数で、インピーダンスが抵抗に等しく、位相角が0になる唯一の行です。オームの法則のページと比べる行が2つあります。10 Hzではインピーダンスが158.842 Ω、1000 Hzでは62.051 Ωで、Rはずっと10のままです。コピーペーストの間違いに見えるので知っておくとよい一致が1つあります。10 Hzの行の容量性リアクタンスは159.155 Ωで、最後の列の共振周波数と同じ数字です。両者に関係はありません。片方はオーム単位のリアクタンス、もう片方はヘルツ単位の周波数で、この回路がたまたま√(L/C) = 10 Ωだから一致しているだけです。
公式
X_L = 2πfL、X_C = 1/(2πfC)、Z = √(R² + (X_L − X_C)²)、φ = arctan((X_L − X_C) / R)、f₀ = 1/(2π√(LC))
- R
- 抵抗。インピーダンスのうち周波数で変わらない部分で、単位はオームです。Zの下限を決めるのはこの量で、リアクタンスがどう動いてもインピーダンスはRを下回ることはなく、共振点ではちょうどRになります。もうひとつの役割は位相角の目盛りを決めることです。大きなRの隣に小さな合成リアクタンスがあると、回路はほとんど普通の抵抗のようにふるまいます。 (Ω)
- L
- インダクタンス。部品に印字されている値なので、ミリヘンリーで入れます。そのリアクタンスは周波数に比例して大きくなるので、コイルは高い周波数を遮り、低い周波数を通します。欄の単位はヘンリーではなくミリヘンリーです。10と入れたら10 mHで、式に入る前に0.01 Hに換算されます。 (mH)
- C
- 静電容量。同じ理由でマイクロファラドで入れます。リアクタンスは周波数が上がるほど小さくなるので、コイルとは逆に、コンデンサは高い周波数を通し、低い周波数を遮ります。こちらも使う前に換算されます。100と入れたら100 µFで、0.0001 Fになります。2つのリアクタンスは常に逆向きに働くので、式は足すのではなく引いています。 (µF)
- f
- 駆動電圧の周波数で、単位はヘルツです。このページをオームの法則と分ける入力で、式の中に2回現れ、その2回が互いに逆方向に押すので、インピーダンスは最初に下がり、それからまた上がります。これを変えると部品に触れずに答えが変わり、2つのリアクタンスが同時に0になる周波数はありません。 (Hz)
- X_L − X_C
- 合成リアクタンス。位相角を実際に決めているのはこの量です。誘導の項のほうが大きいと電流は電圧より遅れ、φは正になります。容量の項のほうが大きいと電流は進み、φは負になります。2つが等しいと合成リアクタンスは0、φも0で、回路は共振しています。どちらのリアクタンスも抵抗から引かれるわけではありません。直角に合成されるので、式は和ではなく2乗和の平方根を使っています。 (Ω)
- f₀
- 共振周波数。2つのリアクタンスが打ち消し合う周波数で、1/(2π√(LC))です。決めるのはLとCだけで、Rにも、いま入力している周波数にも依存しません。だからほかの数が動いてもここは動かず、それを不具合と間違えやすくなります。f₀では直列回路のインピーダンスが最小になり、その値はちょうどRです。 (Hz)
回路にコイルかコンデンサがあって、電圧が交流のときに使ってください。オームの法則が近似としてではなくそもそも成り立たないのはそこだからです。ある部品や枝が特定の周波数からどう見えるかを答えます。フィルターの入力インピーダンス、電源周波数におけるチョークのリアクタンス、LCが共振する点です。大きさが分かっているときでも位相角を使う理由は、電圧とずれた電流を引く負荷が、同じオーム値の抵抗と同じ負荷ではないからです。負荷が本当に抵抗性のとき、つまり発熱体やフィラメント、長い電線ならオームの法則のほうを使ってください。その場合このページは不要であって、より正確な版ではありません。
計算例
既定値:10 Ω・10 mH・100 µFを50 Hzで駆動
- まず換算:L = 10 mH = 0.01 H、C = 100 µF = 0.0001 F
- X_L = 2π × 50 × 0.01 = 3.142 Ω
- X_C = 1 / (2π × 50 × 0.0001) = 31.831 Ω
- 合成リアクタンス = 3.142 − 31.831 = −28.689 Ωなので、この回路は容量性
- Z = √(10² + 28.689²) = 30.382 Ω、φ = arctan(−28.689 / 10) = −70.783°
- f₀ = 1 / (2π√(0.01 × 0.0001)) = 159.155 Hz
3番目と4番目の結果は並べて読むところです。容量性リアクタンスが誘導リアクタンスの10倍以上あるので、50 Hzではこの回路は抵抗が直列に入ったコンデンサであり、電流は電圧より約71度進んでいます。10 Ωの抵抗がここではほとんど効いていないことも見てください。インピーダンスの3分の1にすぎず、位相角は−90°に近く、純粋なコンデンサが与える値そのものです。
同じ部品を1 kHzで駆動
- X_L = 2π × 1,000 × 0.01 = 62.832 Ω — 50 Hzのときの20倍
- X_C = 1 / (2π × 1,000 × 0.0001) = 1.592 Ω — 50 Hzのときの20分の1
- 合成リアクタンス = 62.832 − 1.592 = +61.240 Ωなので、回路は今度は誘導性
- Z = √(10² + 61.240²) = 62.051 Ω、φ = arctan(61.240 / 10) = +80.726°
- f₀は159.155 Hzのまま変わらない
1つめの計算例と並べてください。部品は1つも触っていないのに、位相角は−70.783°から+80.726°へ振れています。電源周波数ではコンデンサに見えた回路が、1 kHzではコイルに見えます。これがこのページのいちばん重要な点で、固定した抵抗では表せないことです。最後の行の共振周波数は動いていません。駆動している周波数には決して依存しないからで、変わって見えるならほかのどこかが編集されています。
共振点の159.155 Hz
- 共振周波数そのもの、159.155 Hzを入れる
- X_L = 2π × 159.155 × 0.01 = 10 Ω
- X_C = 1 / (2π × 159.155 × 0.0001) = 10 Ω
- 2つがちょうど打ち消し合う:Z = √(10² + 0²) = 10 Ωで、これはRそのもの
- φ = arctan(0 / 10) = 0°なので、電圧と電流はそろっている
この行がこのページの形を決めています。共振点で直列回路のインピーダンスは最小になり、その最小値はちょうど抵抗です。電流が電圧とそろうのもこの周波数だけです。手で確かめる前に知っておくとよいことが1つあります。159.155はf₀を小数第3位で丸めた値なので、それぞれのリアクタンスは10 Ωから0.000004 Ωほどずれています(2つの差は0.000007 Ωほどです)。そのため位相角はちょうど0ではなく0.000041°になりますが、パネルはどちらも丸めて消してしまいます。正確な共振は159.1549431… Hzです。
同じ回路に1 kΩの抵抗を入れる
- リアクタンスは1つめの計算例と同じ:3.142 Ωと31.831 Ω
- 合成リアクタンスはやはり−28.689 Ωだが、Rが1,000 Ωになった
- Z = √(1,000² + 28.689²) = 1,000.411 Ω
- φ = arctan(−28.689 / 1,000) = −1.643°
- f₀は159.155 Hzのまま:Rは共振周波数に影響しない
ここがこのページとオームの法則の接点です。Rを10 Ωから1 kΩに上げてもリアクタンスは変わりません。リアクタンスはL・C・周波数の性質で、Rのものではないからです。一方で位相角は−70.783°から−1.643°へ、インピーダンスは30.382 Ωから1,000.411 Ωへ動き、そのうちの1,000はRそのものです。この比率では回路はほとんど測定できない程度の容量性をもった抵抗で、V = I × Rは間違いではなくよい近似になります。これがこのページとオームの法則のページの境界で、境界はなだらかです。しきい値はなく、Rが大きくなるほど誤差が縮むだけです。
適用限界
このページが扱うのは直列回路だけです。1つのループに抵抗1つ、コイル1つ、コンデンサ1つです。並列回路の選択は意図的に用意していません。並列RLCはこの式のスイッチを1つ切り替えたものではなく、別の式を使い、共振点で逆のふるまいをするからです。直列回路は共振でインピーダンスが最小になり、並列回路は最大になります。同じ4つの数を入れて違う答えが返ってくるのは、記述していない回路についての事実を読むことになるので、その変種はここにスイッチを足すのではなく、独立したページのものになります。全体を通して理想的な部品を仮定しています。コイルの巻線抵抗も、コンデンサの漏れ電流や等価直列抵抗もなく、素子が集中定数としてふるまわなくなる周波数もありません。入力する周波数は掃引ではなく1点なので、このページが与えるのはインピーダンス曲線上の1点と共振周波数であり、曲線そのものではありません。
よくある質問
- なぜオームの法則ではだめなのですか
- 回路にコイルかコンデンサがあると、電圧と電流の比が定数ではなくなるからです。周波数に依存し、電流は電圧とそろわなくなります。オームの法則はここでも数を返しますが、その数は間違っています。数を返さないより悪いことです。オームの法則の計算ツールもそう書いたうえで、このページへ送っています。V = I × Rがよい近似として使えるのは、抵抗が合成リアクタンスに比べて大きい間だけで、4つめの計算例がそれを示しています。28.689 Ωの隣の1 kΩでは、位相角は2度未満にとどまります。
- 並列RLC回路ではどうなりますか
- 別の計算で、別のページです。ここにスイッチがないのはそのためです。並列回路はそれ用の式を使い、共振点では逆のふるまいをします。直列回路はそこでインピーダンスが最小になり、並列回路は最大になります。さらに悪いことに、このページはその4つの数をそのまま受け取り、桁違いに違うインピーダンスを、それらしい警告もなく返してしまいます。セレクターが防ぐべきなのは、まさにこの種の静かな誤りです。
- 周波数を変えても共振周波数が変わらないのはなぜですか
- 共振周波数はコイルとコンデンサの性質で、周波数の欄は回路を駆動している周波数だからです。名前が同じだけの別のものです。f₀ = 1/(2π√(LC))にはRもfも入っていないので、駆動周波数を掃引しても動きません。動くのはLかCを変えたときだけです。この独立さが使い道で、探しに行く前に回路がどこで共振するかを教えてくれます。
- 位相角が負なのはどういう意味ですか
- 電流が電圧より進んでいるという意味で、容量性リアクタンスのほうが大きいときに起こります。正なら電流は遅れ、誘導が効いています。0なら2つが等しく、回路は共振しています。ですから符号はこのページ全体を1文字にまとめたものです。−70.783°は50 Hzでは100 µFのコンデンサがこの回路を動かしていると言い、1 kHzの+80.726°は10 mHのコイルに主導権が移ったと言っています。
- 共振時のインピーダンスが10オームしかないのはなぜですか
- 2つのリアクタンスが打ち消し合って、抵抗だけが残るからです。X_LとX_Cは大きさが等しく効果が逆なので、合成リアクタンスは0になり、Z = √(R² + 0²) = Rとなります。これが直列回路の最小インピーダンスで、電流がいちばん大きく、電圧と同相になる周波数でもあります。直列LCが周波数を選ぶのに使われるのはこのためです。ほかは減衰し、選ばれた周波数だけがRひとつを邪魔者にして通過します。
- リアクタンスは抵抗に足すのですか
- いいえ、直角に合成します。だから式は単純な和ではなく2乗和の平方根を取ります。既定値ではその差は大きく、単純に足すと10 + 3.142 + 31.831 = 44.973 Ωになりますが、正しいインピーダンスは30.382 Ωです。物理的な理由は位相のずれです。リアクタンスにかかる電圧は、抵抗にかかる電圧と4分の1周期ずれており、ずれた量はそのままでは足せません。