馬力計算
計算結果
出力(hp)
- 出力(kW)
- 0.7 kW
- 出力(PS)
- 1.0 PS
馬力の計算ツールです。力を加えて物体を動かすときの仕事率を、力と距離と時間から求めます。式はP = F × d / tで、答えは機械馬力・メートル馬力・キロワットの3つを同時に出します。馬力は1つの単位ではありません。少なくとも2つあり、しかも大きさが違うからです。既定値は定義そのものです。550 lbfで1 ftを1秒で動かす場合で、これはちょうど1.0 hpであり、この単位の来歴でもあります。馬が550 lbfを毎秒1フィート持ち上げる、という定義です。その背後にあるワット数は745.7 Wで、同じ745.7 Wをメートル馬力で書くと1.0139 PSになります。だからこのページがどうしても印字してしまう1つの数が、2つの単位が同じ大きさでないことを示しています。ここでの仕事率の計算は力と変位から出しており、それが定義です。同じ量にたどり着くもう1つの道、エンジンのトルクと回転数は別のページです。
電力を生み出す8つのもの、ワットと馬力で
| 動力源 | 出力(W) | 出力(hp) |
|---|---|---|
| 人(一日中働く) | 100 | 0.1 |
| 馬(1 hpの定義) | 745.7 | 1 |
| 人(全力疾走) | 1500 | 2 |
| オートバイ | 7500 | 10.1 |
| 自家用車 | 110000 | 147.5 |
| 大型トラック | 300000 | 402.3 |
| 風力タービン | 3000000 | 4023.1 |
| コンテナ船 | 60000000 | 80461.3 |
効いてくるのは馬の行です。550 ft·lbf/sという定義そのものなので、この表で唯一の定義値です。ワットの欄は1桁に丸めてあるので745.7と表示され、長い小数は出てきません。残りの行はどれも、特定の機種の仕様ではなく、その種別のおおよその桁を示した丸めた数です。自家用車はおよそ110 kW、コンテナ船はおよそ60 MW。人が2行あるのは、全力疾走と一日の労働が15倍違うからです。3列目を上から下へ読むと、その広がりが主題です。人から船まで6桁にわたり、見慣れたものはすべて真ん中の2桁に固まっています。ワットの列は2つの単位を計算なしで比べるために置いてあり、覚えておく価値があるのは真ん中の行です。オートバイがおよそ10馬力、大型トラックがおよそ400馬力です。表の中の数は換算結果をそのまま出しているので、4桁の数にも3桁ごとの区切りは入っていません。
公式
仕事率 = 力 × 距離 ÷ 時間
- F
- 仕事をする力で、重量ポンドで入れます。同じ欄にニュートン・キロニュートン・重量キログラムも入ります。既定値の550 lbfは機械馬力の定義そのもので、偶然ではありません。正の値でなければなりません。力が0なら何も動かず、仕事率は0ではなく意味を持ちません
- d
- 力が物体を動かす距離で、ftで入れます。同じ欄にm・cm・km・in・miも入ります。力の向きに沿った距離なので、荷物を持ち上げる場合はこれがぴったり当てはまり、床を引きずる場合は当てはまりません。既定値の1 ftが、馬力の定義を完成させます
- t
- 動かすのにかかる時間で、秒・分・時で入れます。分母にあるので、同じ力で同じ距離なら、半分の時間でやれば仕事率は2倍になります。仕事ではなく仕事率と言うときの意味はこれです。正の値でなければなりません。0秒は0による割り算で、時間をかけずに動かすという状況は存在しません
- P
- 仕事率で、機械馬力(hp)・メートル馬力(PS)・キロワットで出ます。1つ目は550 ft·lbf/sで定義される値で、このページの主結果です。2つ目は75 kgf·m/s、つまり735.49875 Wなので1.4パーセント小さくなります。3つ目はSIの単位で、3つのうち馬力と呼ばれていないのはこれだけです。3行は同じ仕事率であって、3つの結果ではありません
力と距離と時間が手元にあるときに使います。ウインチで荷物を持ち上げる、モーターで台車をレールの上で走らせる、人が荷物を持って階段を上る。そういうときに、その仕事がどれだけ速く行われているかを、機器が売られている単位で知りたいときに使います。逆向きに読むページでもあります。100 hpは車のカタログで見慣れた数字ですが、3つの出力行がそれをキロワットとメートル馬力で示します。馬力をめぐる混乱の多くはそこから来ます。注意が2つあります。1つ目、誰かに数字を伝える前にどちらの馬力かを決めてください。224.7 hpのエンジンと224.7 PSのエンジンは同じエンジンではなく、後者はおよそ221.6 hpです。2つ目、力は変位に沿っていなければなりません。床を横に引きずるのも立派な仕事率の計算ですが、そのとき式に入る力は摩擦力であって重さではありません。エンジンの出力は、力と距離ではなくトルクと回転数から出すこともできます。同じ物理量に別の道からたどり着く話で、それには専用のページがあります。
計算例
定義そのもの:550 lbfで1 ftを1秒で
- 力550 lbf、距離1 ft、時間1 s。これがこの単位の来歴です
- 先にSIに直します。ニュートンとメートルでなければ積がワットにならないからです:550 lbf = 2,446.5 N
- 2,446.5 N × 0.3048 m = 745.7 Jの仕事
- これを1秒でやるので745.7 Wです
- 機械馬力:745.7 ÷ 745.6999 = 1.0 hp
- メートル馬力:745.7 ÷ 735.49875 = 1.0139、ページの表示は1.0 PSです
この単位は測定値ではなく定義です。ジェームズ・ワットが毎秒550フィート重量ポンドを選んだのは、自分が売る蒸気機関と比べて馬が有利に見えるようにするためで、世界中の馬力の数字はすべてその選択から派生しています。この行では2つの馬力の違いが出せないことに注目してください。1.0139はどちらに転んでも1.0に丸まります。だから比較はもっと大きな数でしなければならず、次の例がそれをやります。
100 hpと、メートル馬力を別の単位にする1.4パーセント
- 1,100 lbf = 4,893.04 N、100 ft = 30.48 m
- 仕事:4,893.04 × 30.48 = 149,140 J
- 2秒でやるので:149,140 ÷ 2 = 74,570 W
- 機械馬力:74,570 ÷ 745.6999 = 100.0 hp
- キロワット:74,570 ÷ 1,000 = 74.57、表示は74.6 kW
- メートル馬力:74,570 ÷ 735.49875 = 101.39、表示は101.4 PS
このページで2つの馬力を区別できるのはこの行だけで、しかも1つの単位では誰も気づかない差でそれをやります。100.0 hpに対して101.4 PSです。理由は、2つの単位が独立に2回定義されたからです。イギリスでは550 ft·lbf/s、大陸ヨーロッパでは75 kgf·m/s。745.7と735.5の差は1.4パーセントで、人が口にする規模では実際の誤差になります。向きを具体的に言っておくと、同じ仕事率ならメートル馬力の数のほうがいつも大きくなります。100 PSと宣伝された車はおよそ98.6 hpで、224.7 hpと定格されたエンジンは227.8 PSです。
小さなクレーン:2,000 lbfで10 ftを2秒
- 2,000 lbf = 8,896.44 N、10 ft = 3.048 m
- 仕事:8,896.44 × 3.048 = 27,116 J
- 2秒でやるので:27,116 ÷ 2 = 13,558 W
- 機械馬力:13,558 ÷ 745.6999 = 18.18、表示は18.2 hp
- キロワット:13.558、表示は13.6 kW
- メートル馬力:13,558 ÷ 735.49875 = 18.43、表示は18.4 PS
3つの数のどれもきりのよい値ではなく、そこがこの行の要点です。近道ではなくSIを通る道筋を固定しています。誘惑される実装は、ポンドとフィートを550という1つの係数に畳み込んで換算を省くもので、最初の例では正しい答えを出し、ここでは数分の1ずれます。誰かが3桁目をカタログと突き合わせるまで見えません。この行が示すもう1つは、実物の機械がどれだけ控えめかということです。クレーンがショートトンを3メートル、2秒で引いても20馬力未満で、100 hpのウインチが普通の道具ではなく本格的な設備である理由がそこにあります。
適用限界
仕事率は割合なので、このページは関わる全エネルギーについては何も言いません。同じ100 hpでも10秒間と10時間では同じ数で、違いは燃料や電池が供給しなければならない量のほうに出ます。力が一定で、進行方向に沿っていることも前提にしています。実際のホイストは動き始めに加速し終わりに減速するので、そのピークの力はこのページが計算する平均より大きく、答えは動き全体の平均の仕事率であって、モーターが耐えなければならないピークではありません。摩擦は式にまったく入っていません。物体を引きずるなら欲しい数は摩擦力であって重さではなく、持ち上げるなら滑車とロープの損失がその上に実質的な補正として乗ります。効率はどこにも入っていないので、持ち上げ作業の20 hpという数字は負荷に渡される仕事率であって、電源から取る仕事率ではありません。電動機ならその1.5倍ほど必要になります。そして単位そのものが、制限ではなく警告を抱えています。機械馬力とメートル馬力は1.4パーセント違い、どちらか書かれていない定格は、ほとんどの機械の公差より大きく曖昧です。
よくある質問
- 馬力の公式は何ですか
- 力を加えて何かを動かす場合、P = F × d / t、つまり力と、それが動かす距離をかけて、かかった時間で割ったものです。力と距離をニュートンとメートルに直すとワットが出て、ページはそれを745.6999で割って馬力として表示します。単位そのものがこの式に数を入れたもので、550 lbfで1 ftを1秒です。だからこのページの既定の行は、馬力の例というより定義です。
- どちらの馬力ですか。機械馬力ですか、メートル馬力ですか
- 両方を表示し、主結果は機械馬力です。550 ft·lbf/sと定義され、745.6999 Wに等しいほうです。メートル馬力はPSと書き、75 kgf·m/sで735.49875 Wなので1.4パーセント小さくなります。したがって同じ仕事率なら、メートル馬力の数のほうが大きくなります。100 hpは101.4 PSで、100 PSとして売られている車はおよそ98.6 hpです。2台を比べる前に、その仕様がどちらを指しているか必ず確かめてください。1.4パーセントは多くの人の想定より大きく、どちらの単位でも1.0では見えません。
- ワットから馬力へはどう変換しますか
- 機械馬力なら745.6999で、メートル馬力なら735.49875で割ります。逆方向では1馬力は745.7 W、1 PSは735.5 Wなので、1,000 Wのモーターは1.34 hpまたは1.36 PSです。このページのキロワットの行は同じ数を1,000で割っただけで、覚えることはありません。何度も変換するならSIを通すのがよいのはそのためで、計算は745.6999という係数ではなく10の係数になります。
- 馬力は速さの尺度ですか、力の尺度ですか
- どちらでもありません。仕事をする割合で、両方を組み合わせたものです。式は分子に力と距離、分母に時間があるので、同じ力で同じ距離なら、半分の時間でやれば仕事率は2倍になり、大きな力がゆっくり動く場合と小さな力が速く動く場合が同じ馬力になることもあります。トラクターとオートバイの出力が近くてもまったく違う挙動をするのはそのためです。トラクターは低い速度で力を出し、オートバイは小さな力で速度を出します。
- 力として物体の重さを使えばよいのですか
- 動きが鉛直のときだけです。その場合に必要な力は重さで、距離は持ち上げた高さであって、たどった道のりの長さではありません。床の上を引きずる場合は、式に入る力は摩擦力です。滑る物体なら摩擦係数かける垂直抗力で、距離は引きずった距離です。2つ目の場合に重さを使うと、摩擦係数の分だけ、多くの場合数倍、仕事率を大きく見積もることになります。
- 馬力を求めたのに、なぜ3つ目の出力がキロワットなのですか
- 馬力は非SIの単位でキロワットはそうではないので、SIの答えは、それを使った他の計算の中でも意味を持ち続けるほうだからです。アメリカ合衆国以外のほとんどの地域が引用する単位でもあります。メートル馬力の行があるのも、答えを3つ並べているのと同じ理由です。ほとんど同じ量に3つの名前があることが、1.4パーセントの差を仕様に紛れ込ませる手口そのもので、3つを1行に並べれば、差の大きさが信じるしかないものではなく目に見えるものになります。
参考文献
- 馬力 — 550 ft·lbf/sという定義、75 kgf·m/sのメートル馬力、そして2つが1.4パーセント違う理由 — Wikipedia
- 人における仕事・エネルギー・仕事率(College Physics 2e, §7.8)— 仕事をする割合としての仕事率と、見慣れた基準点としての人間の持続的な出力 — OpenStax
- NIST Guide to the SI, Chapter 5: Units Outside the SI — 使い続けることは認められるが推奨はされない単位としての、馬力その他の非SI単位の位置づけ — National Institute of Standards and Technology