キャッシュ・オン・キャッシュ計算
計算結果
キャッシュ・オン・キャッシュ収益率(%)
- 年間の税引前キャッシュフロー
- 2,199.24
- 投資した現金の合計
- 63,000.00
- 純営業収益
- 21,360.00
キャッシュ・オン・キャッシュ収益率は、他の収益率より狭い問いに答えます。そしてその狭さが値打ちです。この物件を買うために実際にポケットから出した現金から、1年のあいだに現金としていくら戻ってきたか。分子は年間の税引前キャッシュフローで、空室率を見込んだあとに実際に集まった家賃から運営費を引き、さらに元利返済額を引いたものです。分母は投じた現金、つまり頭金と諸費用だけで、物件価格も値上がりも、返済で減った元本も意図的に外しています。そのためこれは大家がそのまま使える収益率であり、賃貸が自力でやっていけているかどうかを教えてくれる唯一の数です。既定の物件では、家賃2,400を12か月で28,800、空室率5%で実際に入るのは27,360、運営費6,000を引いて純営業収益が21,360、年間の元利返済額19,160.76を引いて税引前キャッシュフローが2,199.24になります。投じた現金63,000に対して3.49%のキャッシュ・オン・キャッシュ収益率です。比べる相手が2つあると、この数は正直になります。同じ物件から諸費用を外すと3.67%になり、これが取得費用を見ない賃貸計算機との差です。3,000の諸費用が初年度に0.18ポイントの負担になるということです。もう1つ、物件全体の収益と比べるとずっと小さい数になります。トータルの収益は入居者が元本を返してくれる分と建物が値上がりする分も数えますが、どちらも今年の現金ではありません。空室率を50%まで上げると同じ物件は損益分岐を割り、税引前キャッシュフローは−10,760.76、収益率は−17.08%になります。
同じ物件を空室率0%から20%まで動かす
| 空室率(%) | 実効年間家賃 | 純営業収益 | 税引前キャッシュフロー | キャッシュ・オン・キャッシュ収益率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 28800 | 22800 | 3639.24 | 5.78 |
| 5 | 27360 | 21360 | 2199.24 | 3.49 |
| 10 | 25920 | 19920 | 759.24 | 1.21 |
| 15 | 24480 | 18480 | -680.76 | -1.08 |
| 20 | 23040 | 17040 | -2120.76 | -3.37 |
空室率以外の入力はすべて既定のままにしてあるので、この表はレバレッジ賃貸が自力でやっていけるかを決める唯一の変数だけを取り出しています。列は連鎖していて、それぞれ前の列が動いた分だけ動きます。空室率が5ポイント上がるごとに集まる家賃が1,440減り、運営費は固定なので純営業収益も同じ1,440減り、返済額は家賃を気にしないのでキャッシュフローもまた1,440減ります。収益率の列は10%と15%の行のあいだでゼロをまたぎます。既定の3.49%は空室率5%の行で、15%まで来ると物件は年に680.76を求めています。最後の2列は並べて読んでください。キャッシュフローは金額でどれだけ悪いかを、収益率は投じた額に対してどれだけ悪いかを語り、両方そろって初めて維持できるかどうかが分かります。
公式
キャッシュ・オン・キャッシュ収益率 = (純営業収益 − 年間元利返済額) ÷ (頭金 + 諸費用) × 100
- 純営業収益
- 空室率を見込んだあとに実際に集まった家賃から運営費を引いた額で、既定の物件では21,360。年間元利返済額を引く前の段階です。
- 年間元利返済額
- その年の返済額を、元本と利息を合わせて1つの年額にまとめたものです。
- 年間の税引前キャッシュフロー
- 純営業収益から年間元利返済額を引いて残った額で、分子にあたり、負にもなりえます。
- 頭金
- 引き渡しのときに物件を買うために払う現金です。
- 諸費用
- 物件を取得するために払う手数料と決済費用で、持分を1つも買わないとしても投じた現金の一部です。
賃貸物件を買うかどうかを決めるとき、あるいは2つを比べるときに、本当に聞きたいのが「家賃が返済をまかない、いくらか残るか」であるなら、これを使います。その問いにこの尺度が正しいのは、両方の半分が現金だからです。上は集めた現金、下は払った現金です。物件が全体としてどれだけ良い投資かという問いには向きません。値上がりと元本の返済をまったく無視するからです。キャッシュ・オン・キャッシュ収益率が3%の物件でも、地価が年5%上がる市場にあれば、横ばい市場で8%を出す物件よりはるかに良い投資でありえますが、このページにはそれが分かりません。判定ではなく、流動性と維持の検査として読んでください。低くても正の数なら、その物件は自力でやっていけていて、あなたの取り分はあとから持分として届きます。負の数なら毎月小切手を書いて持ち続けているということで、その小切手の大きさこそが議論すべき数です。初年度は慎重に読んでください。諸費用はすべて1年目に落ちて数字を押し下げるので、同じ物件でも2年目のほうが良く見えます。
計算例
家賃2,400、空室率5%、投じた現金63,000——収益率3.49%
- 集まる家賃:2,400 × 12 = 28,800から空室率5%を引き、27,360が実際の入金
- 純営業収益:27,360 − 運営費6,000 = 21,360
- 税引前キャッシュフロー:21,360 − 元利返済額19,160.76 = 2,199.24
- 投じた現金:頭金60,000 + 諸費用3,000 = 63,000
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率:2,199.24 ÷ 63,000 = 3.49%
この分数の上下はどちらも確認する価値があります。上の段は薄いものの正の数です。63,000を投じなければならない物件から出るキャッシュフローが毎月183.27というのは、この数字でのレバレッジ賃貸の正直な姿です。下の段が、これが3.67ではなく3.49になる理由です。諸費用を落とすと分母が60,000になり、収益率は0.2ポイント近く上がります。どの物件にもこの費用はかかるのに、手元の概算からは抜け落ちやすいのです。
同じ物件から諸費用を外すと——3.67%
- キャッシュフローは動かない。諸費用は購入時の一時費用で、毎年の経費ではない
- 動くのは分母だけ:投じた現金が63,000ではなく60,000になる
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率:2,199.24 ÷ 60,000 = 3.67%
両方を走らせると、0.18ポイントの差が3,000の取得費用をこの尺度に与える初年度の影響だと分かります。これは頭金で止まる賃貸計算機が出す版でもあります。同じ物件について2つの計算機が食い違う、最もよくある理由がこれです。どちらも誤りではありません。分母が違うだけで、諸費用を含むほうが銀行の明細と一致します。
空室率50%の同じ物件——収益率は負に沈む
- 半年が空室:28,800 × 50% = 14,400が実際の入金
- 純営業収益:14,400 − 6,000 = 8,400で、もはや返済をまかなえない
- 税引前キャッシュフロー:8,400 − 19,160.76 = −10,760.76
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率:−10,760.76 ÷ 63,000 = −17.08%
元利返済額は家賃をいくら集めたかを気にしません。レバレッジ賃貸が脆いのはそのためで、空室率が45ポイント動くだけで収益率は3.49%から−17.08%へ変わり、毎月896.73を求められます。空室率は既定値のままにせず地域の市場から決めるべき理由がここにあり、下の表がそれを5ポイント刻みで動かしているのも同じ理由です。
適用限界
これは1年分のキャッシュ・オン・キャッシュ収益率で、それ以上ではありません。値上がりを外し、元本の返済も外しているので、物件のトータル収益率ではなく、それと直接比べてはいけません。返済の初年度は1回の支払いのほとんどが利息で、入居者が積んでくれる持分は実在しますがここには見えません。税引前の数なので、減価償却も利子控除も家賃への所得税も入っておらず、あなたの手元に残る額ではありません。年間の返済額は自分で渡す1つの数であることを前提にしているので、変動金利もバルーンもエスクローの不足も知りませんし、途中で変わる返済表も捉えられません。運営費は1つの数です。実際の物件には屋根も給湯器も管理会社も入退去があり、空室率はその退去費用そのものではなく代わりの見込みです。設備投資はまったく前提に入っていません。諸費用は初日に投じた現金として扱い、回収しないものとしています。この尺度では正しく、内部収益率では売却代金と相殺されるべきものなので、そこでは誤りになります。売却を一切モデル化していないので、譲渡益や手放すときの費用については何も言いません。そして、どの数にも通貨が付きません。収益率は単位を持たず、その土台になるキャッシュフローは入力した通貨のままです。
よくある質問
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率とは何か
- 物件が生む年間の税引前キャッシュフローを、買うために投じた現金で割ったものです。両方の半分が現金で、上は運営費と元利返済額を引いたあとの家賃、下は頭金と諸費用です。既定の物件——家賃が月2,400、空室率5%、運営費6,000、年間の元利返済額19,160.76、頭金60,000、諸費用3,000——では、27,360を集め、21,360が残り、キャッシュフロー2,199.24を保ち、63,000に対して3.49%を返します。
- 賃貸物件のキャッシュ・オン・キャッシュ収益率はどう計算するのか
- 4段階です。月の家賃を12倍し、空室率を引いて集まる家賃を出します。運営費を引いて純営業収益を出します。年間の元利返済額を引いて税引前キャッシュフローを出します。それを頭金と諸費用の合計で割ります。既定の数では、28,800から5%を引いて27,360、6,000を引いて21,360、19,160.76を引いて2,199.24、2,199.24 ÷ 63,000で3.49%です。
- 諸費用はキャッシュ・オン・キャッシュ収益率に含めるのか
- 含めるべきで、このページは含めています。諸費用は物件を取得するために払った現金なので分母に入り、外すと収益率を大きく見せてしまいます。既定の物件では3,000を含めると投じた現金が60,000から63,000に上がり、収益率は3.67%から3.49%へ下がります。頭金で止まる計算機は、誤りというより少し違う問いに答えているのですが、銀行口座から出ていった額と一致するのは諸費用を含むほうです。
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率はいくらあれば良いのか
- そのお金が他で何をできるかと、買う市場しだいなので、万能のしきい値はありません。役に立つ比較は、調達コストと、何もしない選択肢に対してです。払っている住宅ローン金利を下回る収益率は、現金ベースでレバレッジが逆に働いているということで、債券並みの収益率は大家のリスクを取って債券の利回りを得ているということです。低くても正の数は判定ではなく維持の検査として扱ってください。物件は自力でやっていけていて、残りの取り分は持分と値上がりとして後から届きます。負の数なら毎月の持ち出しです。
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率はROIと同じか
- いいえ、違いは分数の両方の半分にあります。投資収益率は普通、キャッシュフローに値上がりと元本の返済を足したトータルの利益を、調達を含めた物件の総コストで割ります。キャッシュ・オン・キャッシュ収益率は今年のキャッシュフローだけを、投じた現金だけで割ります。つまり分子も分母も小さく、2つは逆を向くことさえあります。値上がりで強いROIを示しながら、現金の収益率は2%で毎月の持ち出しという物件がありえます。
- 家賃が返済をまかなえているのに収益率が負になるのはなぜか
- 空室率が返済の前に引かれ、家賃が減っても返済は減らないからです。既定の物件は純営業収益21,360に対して元利返済額が19,160.76で、余裕は2,199.24しかありません。そのため空室率が約12.6%でそれが消え、それを超えた分はそのまま持ち出しになります。空室率50%ではキャッシュフローが−10,760.76、収益率が−17.08%です。レバレッジはこれを両方向に拡大するので、空室率はここで最も重要な入力です。
- キャッシュ・オン・キャッシュ収益率は年ごとに変わるのか
- 両側で変わります。分子は家賃・空室率・経費で動き、返済額が横ばいのまま家賃が伸びるので普通は上がります。分母は現金を追加で投じないかぎり動きませんが、中身は変わります。諸費用は1年目にまとめて落ちるので、他の条件が同じなら1年目がこの尺度にとって最悪の年です。諸費用3,000で3.49%だった同じ物件は、他に何も変わらなければ2年目以降3.67%を返します。他の物件と比べてよいのは、それらも1年目を過ぎている場合だけです。
参考文献
- Publication 527, Residential Rental Property — 賃貸収入と見なされるもの、それに対して控除できる経費の範囲(空室期間の扱いを含む) — Internal Revenue Service (United States)
- Publication 946, How To Depreciate Property (2025 edition) — 減価償却は現金ではなく控除であり、キャッシュ・オン・キャッシュ収益率が分子からそれを外す理由 — Internal Revenue Service (United States)
- Publication 551, Basis of Assets — 決済費用とポイントは物件を取得するために払った額の一部 — Internal Revenue Service (United States)