スピードメーターギア計算
計算結果
適合する被動ギアの歯数
- 理想の歯数
- 22.03
- 交換後のスピードメーター誤差
- 0.14%
- 1マイルあたりのタイヤ回転数
- 775.7 rev/mi
機械式のスピードメーターは、変速機の出力軸にある小さい駆動ギアと、ケーブルの先の被動ギアで回っています。校正は固定で、ケーブルが1マイルあたり何回転するか、ふつうは1,000回転です。タイヤの直径や最終減速比を変えると、この関係が崩れます。このスピードメーターギア計算は、それを元に戻す被動ギアの歯数を求めます。理想の歯数、それにいちばん近い整数の歯数、そして実際に買えるいちばん近いギアを入れたときに残るスピードメーター誤差の3つです。26インチのタイヤ・最終減速比3.55・駆動ギア8枚なら、理想は22.03枚なので、22枚のギアで誤差は0.14%残ります。ギア式のスピードメーターとしてはこれ以上ない精度です。33インチのタイヤに4.56の最終減速比を組むと、同じ22枚に対して理想は22.29枚、誤差は1.34%になります。小さいとはいえ、向きは危ない側です。スピードメーターが実際より速く表示するのは、罰金につながる側です。誤差は大きさと同じくらい、向きが大事です。
タイヤサイズと外径・1マイルあたりの回転数
| タイヤサイズ | 外径(インチ) | 1マイルあたりの回転数 |
|---|---|---|
| 205/55R16 | 24.9 | 811 |
| 215/60R16 | 26.2 | 771 |
| 225/45R17 | 25 | 808 |
| 225/60R16 | 26.6 | 757 |
| 235/40R18 | 25.4 | 794 |
| 235/75R15 | 28.9 | 698 |
| 245/45R18 | 26.7 | 756 |
| 265/35R18 | 25.3 | 797 |
| 275/40R17 | 25.7 | 786 |
| 275/60R15 | 28 | 720 |
| 31x10.5R15 | 31 | 651 |
| 33x10.5R15 | 33 | 611 |
外径は寸法から計算した値で、実測ではありません。リム径にサイドウォールの高さを2つ足したもので、サイドウォールは断面幅に扁平率を掛けた値です。下の2行はライトトラックのサイズで、外径をそのまま表記する決まりです。右の列はその外径から出した数なので、実際より少し大きめに出ます。荷重でつぶれたタイヤはより小さい半径で転がるため実際の回転数は1%から3%多く、このページが出す誤差もそのぶん楽観側に寄ります。
公式
被動ギアの歯数 = 駆動ギアの歯数 × 最終減速比 × 1マイルあたりのタイヤ回転数 ÷ スピードメーターの校正値
- tireDiameter
- タイヤの外径(インチ)
- axleRatio
- アクスル比(最終減速比)
- driveGearTeeth
- 変速機の中にある駆動ギアの歯数
- speedoRevsPerMile
- スピードメーターの校正値(1マイルあたりのケーブル回転数)
タイヤサイズか最終減速比を変えたあとに使います。買ったときからスピードメーターの表示がおかしい車で、原因がギアなのかどうかを知りたいときにも使えます。逆の問いにも手間なしで答えます。いま付いているギアの歯数を駆動ギアの欄に入れれば、そのギアがどのサイズ用だったのかが出ます。前の持ち主がすでに交換していたかどうかは、こうやって分かります。
計算例
26インチのタイヤ・3.55・駆動ギア8枚・1マイル1,000回転
- 円周:π × 26 in = 81.68 in。つまりタイヤは1マイルで63,360 ÷ 81.68 = 775.7回転する
- 変速機の出力軸は最終減速比のぶんだけ車輪より速く回る:775.7 × 3.55 = 2,753.7回転/マイル
- 8枚の駆動ギアはこの軸に付いているので、1マイルで2,753.7 × 8 = 22,030枚ぶんの歯が通る
- スピードメーターはケーブルが1マイルで1,000回転する前提なので、その1回転あたり22,030 ÷ 1,000 = 22.03枚まで使える
- 22.03が理想の歯数で、売られている中でいちばん近いのは22枚
- 22枚での誤差:22.03 ÷ 22 − 1 = +0.14%。少し速く表示する
22.03枚は誰も注文できない答えなので、主な出力は注文できる22枚のほうです。残った0.14%が、ギア式のスピードメーターがどうしても正確にならない理由です。歯数は整数で、理想はほとんど整数になりません。誤差をどちら側にも寄せられるのも同じ理由で、21枚なら+4.9%、23枚なら−4.2%が残ります。注文する前に、理想の両どなりの歯数の値段も見ておく価値があります。
1マイル820回転のスピードメーターに28インチのタイヤ・3.73
- 円周:π × 28 in = 87.96 in。1マイルあたり63,360 ÷ 87.96 = 720.3回転
- 出力軸の回転数:720.3 × 3.73 = 2,686.7回転/マイル
- 1マイルで通る歯の数:2,686.7 × 8 = 21,494
- このスピードメーターは1マイル820回転を前提にしているので、1回転あたり21,494 ÷ 820 = 26.21枚まで使える
- いちばん近いギアは26枚
- 26枚での誤差:26.21 ÷ 26 − 1 = +0.81%。速く表示する
校正値は定数ではなく入力です。この車のスピードメーターは1マイル1,000回転ではなく820回転用に作られていて、同じ入力でも1,000の校正値なら理想は26枚ではなく21枚になります。1,000を決め打ちすると、この車には2割以上ずれたギアを付けることになります。見慣れない車で最初に確かめるべきは、そのスピードメーターがどの校正値なのかです。
33インチのタイヤに4.56の最終減速比
- 円周:π × 33 in = 103.67 in。1マイルあたり63,360 ÷ 103.67 = 611.2回転
- 出力軸の回転数:611.2 × 4.56 = 2,787.1回転/マイル
- 1マイルで通る歯の数:2,787.1 × 8 = 22,297
- 1,000回転の校正値なら:22,297 ÷ 1,000 = 22.29枚が理想
- いちばん近いギアは22枚
- 22枚での誤差:22.29 ÷ 22 − 1 = +1.34%。速く表示する
ずっと大きいタイヤとずっと短い最終減速比で、理想の歯数はほとんど動きません。22.29に対して1つめの例は22.03でした。偶然ではありません。大きいタイヤはケーブルの回転数を下げ、短い最終減速比は上げるので、ここではその2つがほぼ打ち消し合っています。車高を上げただけならスピードメーターはもともと近く、22枚のギアがそのまま使えることが多いのも、これが理由です。
適用限界
ここで扱うのは、ギア1組とケーブルで回る機械式のスピードメーターです。1990年代以降のほとんどの車は車速センサーから信号を受ける電子式で、交換するギアがありません。補正はソフトウェア側で、ディーラーのツール・チューナー・補正モジュールを使って行います。ラシオアダプターやインラインの補正器を挟むのが普通の答えで、このページの歯数はそのままは使えません。タイヤの直径は公称値ではなく実際の転がり直径でなければなりません。荷重でつぶれたタイヤは、幾何学的な半径より1%から3%小さい半径で転がります。この誤差はそのまま答えに入るので、新品タイヤの車と摩耗したタイヤの車で表示が少し違うのはこのためです。売られている歯数はアフターマーケット次第で、ふつうは17枚から45枚を1枚刻み、種類が少ないこともあります。このページが出した歯数が、その変速機には存在しないこともあります。駆動ギアもハウジングの大きさもメーカーごとに違うので、部品を注文するときは歯数だけでは足りません。
よくある質問
- どのスピードメーターギアが必要か
- 理想の歯数にいちばん近い歯数のものです。理想は、駆動ギアの歯数 × 最終減速比 × 1マイルあたりのタイヤ回転数 ÷ スピードメーターの校正値 で出ます。駆動ギア8枚・最終減速比3.55・26インチのタイヤ・1,000回転のスピードメーターなら22.03枚なので、注文するのは22枚です。残った端数がそのまま誤差になり、となりの歯数を選ぶと誤差は反対側に移ります。
- 誤差はどちら側に出るのか
- 歯数が少なすぎるとケーブルが必要以上に速く回り、表示は実際より速くなります。歯数が多すぎると遅くなります。危ないのは速く表示する側です。車は針が示すより遅く走っていて、守っているつもりの制限速度をすべて超えることになります。理想の歯数が2つのギアの中間にあるときは、歯数の多いほうを選んでください。
- 1,000と820のスピードメーターは何が違うのか
- 校正値です。1マイルでケーブルが何回転するかという数で、アメリカのスピードメーターは1,000が多く、GMと日本の車の一部は820で、アフターマーケットのメーターは何でもありです。この数は答えを大きく変えます。28インチのタイヤ・3.73・駆動ギア8枚なら、820では26枚、1,000では21枚が理想です。ギアを注文する前に校正値を確かめてください。
- タイヤの直径は正確でなければならないか
- 転がり直径であるべきで、それはサイドウォールに書いてある数より小さくなります。33インチのタイヤは車から外せば33インチありますが、荷重でつぶれると1%から3%小さいタイヤとして転がり、1マイルあたりの回転数が変わります。その差はそのまま歯数に入ります。できるなら車に載せた状態で測ってください。新品と摩耗したタイヤの差は0.数%で、売られている歯数の刻みより小さい値です。
- 電子式のスピードメーターでも使えるのか
- 使えません。電子式は変速機か車輪の車速センサーが数えるパルスを数えていて、交換するギア1組がありません。タイヤや最終減速比の変更は、計器が使う値を書き換えて補正します。ディーラーのツール、チューナー、インラインの補正モジュールのいずれかです。このページの計算は、そのとき裏で起きているのと同じ計算ですが、答えをギアとして買うことはできません。
参考文献
- NIST Guide to the SI, Special Publication 811 — US National Institute of Standards and Technology
- The International System of Units (SI Brochure) — Bureau International des Poids et Mesures