比熱計算
計算結果
熱エネルギー(kJ)
- 質量(kg)
- 2.000 kg
- 比熱(kJ/(kg·K))
- 4.186 kJ/(kg·K)
- 温度変化(°C)
- 50.0 °C
比熱計算は、あらゆる加熱・冷却の計算の下にある問いに答えます。ある質量の物質を、ある温度差だけ動かすにはどれだけのエネルギーが要るのか、という問いです。使うのはQ = m · c · ΔT——比熱容量を定義している式そのものです。4つの量のうち3つを埋めれば、残りの1つを解きます。必要なエネルギー、与えられた熱で温められる質量、正体の分からない試料の比熱、与えられた熱で起きる温度変化のいずれかです。冷却も符号が入れ替わるだけで同じように扱えます。
主な物質の比熱
| 物質 | 比熱(kJ/(kg·K)) |
|---|---|
| 水 | 4.186 |
| 空気(乾燥) | 1.005 |
| アルミニウム | 0.897 |
| 銅 | 0.385 |
| 鉄 | 0.45 |
| ガラス | 0.84 |
| 氷 | 2.09 |
| エタノール | 2.44 |
普通の温度での代表値で、計算機の比熱の欄が使う単位で書いてあります。便覧の表はたいていJ/(kg·K)で印字していて、そこでは水が4,186、アルミニウムが897です——同じ数を千倍しただけです。注目すべき点が2つあります。水はここにある他のどれよりもはるかに高く、だからこそ熱を運ぶ材料として選ばれ、入力欄の既定値も金属ではなく水になっています。そして氷は水の下ではなく隣に並んでいます。同じ物質の別の相だからで、氷の値は物質がすでに凍ったあとに使うもので、その境界を越えるのに要るエネルギーはこの式が扱わない別の量です。
公式
Q = m · c · ΔT (equivalently c = Q / (m · ΔT), m = Q / (c · ΔT), ΔT = Q / (m · c))
- Q
- 物質に加えた熱エネルギー(キロジュール)。負の値でもよく、負は誤りではありません——物質から熱が出ていったという意味で、何かが冷えるときにはいつもそうなります。計算機はその意味を最後まで保ちます。冷却の場合はQが負、ΔTが負、質量と比熱は正になり、物理が言うとおりの形になります。ジュールではなくキロジュールなのは、日常の例が百の位に収まるからです。2リットルの水を50度上げるには約419 kJかかり、これを418,600 Jと印字しても誰の役にも立ちません。
- m
- 物質の質量(キログラム)。0や負にはできません。これは計算機が勝手に決めた規則ではなく、式の性質です。mとcは未知数として分母に来るので、質量0はゼロ除算を求めることになります。物理的な読み方も同じで、質量のないものに熱容量はなく、解くものが何もありません。4つの中では一番地味な量ですが、直感が一番外れるのもここです。熱容量は質量に比例するので、水が2倍あれば同じ温度上昇に2倍のエネルギーが要ります。満タンのケトルが半分のケトルよりずっと時間がかかるのはそのためです。
- c
- 比熱容量。1キログラムの物質を1ケルビン上げるのに要るエネルギーで、kJ/(kg·K)で表します。物質を物質たらしめている数であり、沸騰した湯の中の金属のスプーンが持てなくなるのに、湯そのものは熱いくらいで済む理由でもあります。水の4.186は有名な大きさで、鉄の約10倍、ガラスの約5倍あります。水が熱を運ぶのに使われ、海岸線が内陸の気候をならすのはそのためです。便覧はたいていJ/(kg·K)で印字するので、そこでは水は4,186として現れます。下の参考表は入力欄に合わせてkJ/(kg·K)を使っていますが、同じ数の書き換えです。
- ΔT
- 温度変化(摂氏)。温度ではなく変化なので、摂氏1度とケルビン1度は同じ大きさで、ここでは2つの目盛りを読み替えられます。負でもかまいません。30度冷やすのはΔT = −30で、エネルギーは負で出てきます。熱が放出されたという正しい記述です。ここは最もよくある間違いが住んでいる欄でもあります。最終温度を入れてしまうのです。20 °Cから80 °CならΔT = 60であって、80でも20でもありません。
- any three of four
- このページはどれを求めたいのかを尋ねません。空けた1つを見つけて、それを解きます。4つすべて埋めるのも許されます。そのときは解くより役に立つことをします——4つを突き合わせるので、データシートから写し間違えた数が、黙って吸収されるのではなく食い違いとして現れます。2つ空けると、推測せずにその旨を伝えます。2つ欠けているとき、どちらを意味したのかを決める約束はどこにもないからです。
エネルギーと温度が出会うところならどこでも使ってください。温水器やヒートポンプの能力を見積もるとき、鍋が沸くまでにどれだけかかるかを出すとき、公称の熱出力が主張どおりの質量を温められるかどうかを確かめるとき、そしてラベルのない金属試料が何であるかを、温めるのに要る熱を測って同定するときです。料理は同じ計算の台所版です——鋳鉄の鍋が熱を保ち、薄いアルミの鍋が保たないのはなぜか、という話です。温度を変える話であれば、これを取り出してください。相変化には向きません。氷を融かし水を沸かすには温度が一定のままエネルギーが要り、この式はそれをまったく表せません。Q = m · c · ΔTから自信たっぷりの誤答を引き出す一番よくある道がそれです。
計算例
既定の値:2 kgの水を50度上げる
- Q = m · c · ΔT = 2 · 4.186 · 50
- 2 · 4.186 = 8.372 kJ/K
- 8.372 · 50 = 418.6 kJ
418.6 kJは約116 Wh、0.1 kWhほどです——覚えておくと役に立つ形で、水を電気で温めるには時間がかかり、工学の工夫ではそこは変わらないということを言っています。2リットル(2 kg)の水を50度上げるのはやかん一杯の普通の仕事で、約419 kJかかります。同じエネルギーでアルミニウムなら約9 kgを同じ50度だけ上げられます。アルミニウムの比熱は水の4分の1以下だからです。結果パネルは1行しか空いていなくても4行すべてを印字します。入力した3つが意図どおり読まれたかを確かめる方法がこれです。
質量を解く:鉄に900 kJを入れる
- m = Q / (c · ΔT)
- c · ΔT = 0.45 · 20 = 9 kJ/kg
- 900 / 9 = 100 kg
人ひとり分の質量の鉄の塊を20度温めるのに900 kJです。上の例と並べてみてください。同じ900 kJで、水なら2 kgを100度以上動かせますが、鉄は100 kgをわずかに動かすだけです。比熱が名前を持った物性である理由がこの対比そのものです。同じエネルギーに対する温度の応答で物質を比べる——質量とΔTが既知のときにこの式がやっているのは、まさにそれです。
冷却、符号が負になる場合:銅が30度下がる
- Q = 0.5 · 0.385 · (−30)
- 0.5 · 0.385 = 0.1925 kJ/K
- 0.1925 · (−30) = −5.78 kJ
0.5 kgの銅が30度冷えると5.78 kJを放出します。この例の要点はマイナス符号です。熱が出ていっているのであって、計算機はそれを黙って大きさだけ返したりはしません。符号を誤りとして扱えば、そうなってしまいます。入力したΔTと返ってきたQの2つの負号は、問題の向きを確かめるのにも役立ちます。加熱のつもりだったのにエネルギーが負で出てきたら、入力のどれかが符号を間違えています。
比熱を解く:この金属は何か
- c = Q / (m · ΔT)
- m · ΔT = 2 · 100 = 200 kg·K
- 179.4 / 200 = 0.897 kJ/(kg·K)
これが同じ式の測定方向で、比熱はもともとこうやって測られます。既知の質量に既知のエネルギーを入れ、温度上昇を測って割るだけです。ここで出た0.897 kJ/(kg·K)はアルミニウムです。下の参考表に載っていますし、2つの行の間に落ちる値なら、純物質か合金かを見分けられます。実際には熱が部屋へ逃げるので、割り算より測定のほうがずっと難しいのです。便覧の表がある理由であり、このページが測るより調べるほうを勧める理由でもあります。
適用限界
この式は相変化を想定していません。そしてその想定は台所で大きな音を立てて破れます。氷1 kgを融かすには334 kJ、水1 kgを沸騰させるには2,257 kJかかり、どちらも温度は一定のままで、そのどちらの数もQ = m · c · ΔTのどこにも出てきません。0 °Cや100 °Cをまたぐ問題なら、この式だけでなく潜熱も必要です。こういうページは警告もなく平気で間違った答えを返します。また、この式はcを定数として扱いますが、cは定数ではありません。物質の比熱は温度で変わり(水は20 °Cの約4.18から沸騰近くの4.22へ上がります)、便覧の値は対象の範囲での平均です。500度の幅で使うのは外挿になります。表の値は圧力にも依存し、気体ではcpとcvの区別が空気で約1.4倍あります。このページの1.005はcp(定圧)の値で、密閉した剛体容器の中の気体に使うのは誤りです。さらにモデルそのものの問題があります。Q = m · c · ΔTが表すのは1つの温度にある物体で、実際の物体は内部に勾配を持ち、その間ずっと周囲へ熱を逃がしています。このページが返すのは材料に入ったエネルギーであって、支払ったエネルギーではありません。断熱も、立ち上がり時間も、効率も、式の外側にあります。
よくある質問
- 比熱の式は何ですか
- Q = m · c · ΔT——熱エネルギーは質量×比熱容量×温度変化に等しい、という式です。変形すると、比熱はc = Q / (m · ΔT)、質量はm = Q / (c · ΔT)、温度変化はΔT = Q / (m · c)になります。4つの形は同じ4つの量についての同じ主張で、だからこの計算機は手元にある3つを受け取って4つ目を返します。cの単位は変形した形から出ます。キロジュールを、キログラム×ケルビンで割ったものです。
- 水の比熱が高いのはなぜで、何が変わるのですか
- 水の4.186 kJ/(kg·K)は鉄のおよそ10倍、ガラスの5倍あります。水分子はエネルギーをいくつもの形で同時に蓄えられるからです——分子そのものの運動だけでなく、分子同士の結合の配置も変わるからです。実際の帰結としては、水は温まるのに時間がかかり、冷めるのにも時間がかかります。建物の中で熱を運ぶのに水が使われる理由であり、湯の鍋が最後まで沸かない理由でもあります。大きな水域は隣の陸の気候をならします。そして人体の大半は水なので、熱が何時間もかけて上がり、何時間もかけて下がるのもその一部です。
- 負の数が出たのはなぜですか
- 熱が出ていっているからで、計算にはほかにそれを言う方法がありません。負の温度変化(冷却)を式に通すと熱エネルギーも負になり、それは誤りではなく正しい答えです。入力で両方の符号を許しているのはまさにこのためで、冷却を正の数で入れなければならないとしたら、このページは用途の半分で役に立たなくなります。0や負を禁じているのは質量と比熱だけです。式がそれらで割るからです。
- 2つの欄を空けてもいいですか
- いいえ。4つの量のうち3つは既知でなければなりません。式は未知数4つに式1つなので、1つしか決められません。2つ空けるのは見た目ほど曖昧でもありません。どちらを省いたつもりなのかを決める規則はなく、与えた2つの数とはいくつもの答えが整合してしまいます。このページは代わりに選ぶのではなく、入力が不完全だと伝えます。
- 4つすべて埋めたらどうなりますか
- そのときは解く代わりに突き合わせます。空けたところは解かれ、空きがなければ4つが互いに比較され、一致しなければ食い違いとして報告されます。この確認は飾りではありません。データシートの違う行から比熱を写したり、温度差のところに最終温度を入れたりすると、見た目はまともなのに互いに矛盾する4つの数ができあがります。その矛盾が見えるようになるのはここだけです。
- 物質の比熱は一定ですか
- いいえ、そして表は1つの物質につき1つの値しか与えません。比熱は温度で変わります——水は室温から沸騰の間で1 %ほど上がります——し、圧力でも変わります。気体では圧力と体積のどちらを固定するかでも変わり(空気のcpは1.005、cvは0.718で、比は1.4です)、便覧にある1つの数は普通の条件での代表値です。穏やかな温度範囲なら数 %の精度で合いますが、炉ほどの範囲では外挿になり、答えは見た目よりはましな推定値ではあっても測定値ではありません。
参考文献
- 温度変化と熱容量(College Physics 2e, §14.2)— 定義つきの式、冷却における符号の約束の計算例、そしてこの式が相変化を扱わないという記述 — OpenStax (Rice University)
- Specific heat of common materials — このページの表が参照している基準値(水、空気、アルミニウム、銅、鉄など) — The Engineering ToolBox