垂直抗力計算
計算結果
垂直抗力
- 垂直抗力(lbf)
- 19.09 lbf
- 重さ
- 98.07 N
- 斜面下向きの力
- 49.03 N
垂直抗力の計算ツールです。質量が平らな床や斜面に乗っているとき、面が押し返してくる力が垂直抗力です。斜面では重さが2つに分かれ、mg cos θが面を押し、mg sin θが物体を斜面下向きに引きます。垂直抗力になるのは前のほうだけで、残りは面が支えていない重さの成分です。このページは重さ・垂直抗力・斜面下向きの成分を並べて出すので、部分と全体を突き合わせて確かめられます。単位はニュートンと重量ポンドの2通りです。既定値は30度の斜面に10 kgで、斜面下向きの数が摩擦のページに渡す値になります。
10 kgの物体1つ、7つの斜面の角度
| 斜面の角度(度) | 垂直抗力(N) | 斜面下向きの成分(N) |
|---|---|---|
| 0 | 98.07 | 0 |
| 15 | 94.72 | 25.38 |
| 30 | 84.93 | 49.03 |
| 45 | 69.34 | 69.34 |
| 60 | 49.03 | 84.93 |
| 75 | 25.38 | 94.72 |
| 90 | 0 | 98.07 |
どの行も質量を10 kgに固定して、角度だけを変えています。だから2つの数の列は、98.07 Nにその角度のコサインとサインを掛けたものになります。表を上から下へ読んでください。0度では面がすべてを受け持ち、斜面下向きの引っ張りは0です。45度では2つが69.34 Nずつで等しくなり、90度では入れ替わってしまいます。この入れ替わりが、このページが3つの力の行を同時に出す理由です。ここの2列と重さは、どの角度でも三平方の関係で結ばれていて、69.34² + 69.34² = 9,616で、98.07² = 9,617になります。実用的に読むべきなのは下半分です。60度では面が支えているのは重さの半分だけなので、斜面下向きの引っ張りが大きくなるのと同じ割合で、使えるグリップが減っていきます。10度の私道で効く歯止めが、30度では何もしないのはそのためです。
公式
垂直抗力 = 質量 × 重力加速度 × cos(斜面の角度)
- m
- 面に乗っている質量です。kgで入れ、同じ欄にgとtとlbも入ります。これは質量であって重さではありません。重さはm × gで、このページはそれを独立した行として出します。0は受け付けません。質量のない物体は小さい物体ではなく物体ではないからです。それに、すべての行が0と表示されることになります
- θ
- 斜面の角度です。面と水平の間で測り、度・ラジアン・グラードが使えます。平らな地面が0度、垂直な壁が90度で、その間はいくつでも受け付けます。30度では垂直抗力が重さの87%になり、90度ではまったく支えません。面が物体の下にもうないからです
- g
- 標準重力で、9.80665 m/s²に固定されています。定義値であって、その土地の実測値ではありません。ここでは入力欄にしていません。読者が選ぶ量ではないからです。同じ物体が月や火星でどれだけの重さになり、どれだけのエネルギーを持つかを知りたいときは、位置エネルギーのページへどうぞ。あちらでは重力が入力欄で、6つの天体の表が並んでいます
- N
- 垂直抗力そのものです。面に垂直で、面から離れる向きを向き、ニュートンと重量ポンドで出ます。垂直というのは幾何学の言葉で、直角という意味です。この力は向きで定義されていて、物体の性質で決まるものではありません。原因ではなく応答で、物体がするのではなく面がするものです
- F∥
- 斜面下向きの成分、mg sin θです。面に平行で、坂を下る向きを向いています。物体に働く3つ目の力ではありません。重さの残りの部分、つまり面が支えていないほうです。摩擦のページが求める数でもあります。物体が滑るかどうかは、これと、面が出せる摩擦力を比べて決まるからです
質量が坂や屋根、積み込み用のスロープなど、傾いた面に載っていて、その面が実際に受け持っている力を知りたいときに使います。歯止めを選ぶとき、駐めたトレーラーが保持するか確かめるとき、そりの滑走面がどれだけ押しているか出すとき、あるいは滑るかどうかを考える前に斜面方向の重さの成分を知りたいときです。力の分解を確かめたいときにも向いています。斜面の垂直抗力は重さそのものではなく、重さに斜面の角度のコサインを掛けたものなので、100 kgの荷物を30度のスロープに載せると981 Nではなく849 Nで押します。981 Nがどこかへ行ったのではなく、分かれただけで、そのうち490 Nが荷物を坂の下へ引っ張っています。この分かれ方がこのページの主題で、2つの成分を重さの隣に並べて見せることが、3行を出す理由です。この2つの成分の行は、摩擦の計算ツールへの引き渡しでもあります。あちらは斜面上の垂直抗力を、自分で計算せず入力として受け取ります。
計算例
既定値:30度の斜面に10 kg
- 質量10 kg、斜面の角度30度
- 重さ:W = m × g = 10 × 9.80665 = 98.0665 N。表示は98.07 N
- 垂直抗力:N = W × cos 30 = 98.0665 × 0.8660254 = 84.9281。表示は84.93 N
- 斜面下向きの成分:F∥ = W × sin 30 = 98.0665 × 0.5 = 49.0333。表示は49.03 N
- 確認:84.93² + 49.03² = 7,213.1 + 2,403.9 = 9,617で、98.07² = 9,617.7。2つの成分から重さが復元できる
- 重量ポンドで:84.9281 ÷ 4.4482216 = 19.0926。表示は19.09 lbf
5番目の確認が、このページが力の行を1つではなく3つ出している理由です。一度は手でやってみる価値があります。垂直抗力と斜面下向きの成分は直角なので、それぞれの2乗を足すと重さの2乗になります。30度の斜面では、面が受け持っているのは重さの87%、98.07 Nのうちの84.93 Nです。一方、斜面下向きの引っ張りは49.03 Nで、これは重さの半分であって、コサインが残した13%ではありません。2つは和の半分どうしではなく直角な成分どうしなので、84.93² + 49.03²が98.07²に戻ってきます。この49 Nが摩擦の計算ツールへ持っていく数です。物体がとどまるかどうかは、面が出せる摩擦力と比べて決まります。その摩擦力は摩擦係数にこの84.93 Nを掛けたもので、重さを掛けたものではありません。
平らな床:70 kgの人が立っている場合
- 質量70 kg、斜面の角度0度。水平な床に立っている人
- 重さ:W = 70 × 9.80665 = 686.4655 N
- 垂直抗力:N = W × cos 0 = 686.4655 × 1 = 686.4655。表示は686.47 N
- 斜面下向きの成分:F∥ = W × sin 0 = 686.4655 × 0 = 0 N。ちょうど0
- 重量ポンドで:686.4655 ÷ 4.4482216 = 154.3236。表示は154.32 lbf
0度では上の2行が同じ数になり、いちばん下の行は0になります。平らな床では無駄に見えますが、そうではありません。垂直抗力が本当に重さと等しくなるのはこの場合だけで、それもここだけです。面が傾いた瞬間に2行は離れていき、30度では84.93と98.07になります。両方を出すのは、平らな場合しか知らない読者がどこでもN = mgだと思い込みやすいからです。あなたが立っている床は686 Nで押し返していて、それは一日中そうしています。
極限:垂直な壁に1,000 kg
- 質量1,000 kg、斜面の角度90度。面が壁になった
- 重さ:W = 1,000 × 9.80665 = 9,806.65 N
- 垂直抗力:N = W × cos 90 = 9,806.65 × 0 = 0 N
- 斜面下向きの成分:F∥ = W × sin 90 = 9,806.65 × 1 = 9,806.65 N。全部がこちらへ
- 面は重さをまったく受け持っておらず、9,806.65 Nの全部が真下に引いている
この行があると式が筋の通ったものになります。垂直な面は重さをまったく受け持ちません。物体の下に押し返すものが何もないからです。cos 90は0なので垂直抗力も0になり、重さの全部が斜面下向きの成分へ移ります。90度ではそれが真下を向きます。重さの行はそれでも出ます。面の性質ではなく物体の性質だからです。とはいえ、この荷物を支える壁を設計するのにこの行は役に立ちません。荷物を押していない壁は摩擦も出せませんし、支えるにはこのページが扱っていない力が要ります。
適用限界
まっすぐな平面を仮定していて、物体はその上の1点として扱われます。曲がった丘や、2点で斜面に触れるほど長い荷物は合いません。数えているのは重力だけなので、上へ引くロープ、下へ押す手、上に載った2つ目の物体はどれも垂直抗力を変えます。応答であって、あらかじめ知れる量ではありません。摩擦はどこにも入っていません。このページは摩擦の計算ツールが入力として受け取る2つの成分を出します。重力は定義値の標準重力9.80665 m/s²に固定されています。
よくある質問
- 垂直抗力の公式は何ですか
- N = m × g × cos θです。θは水平から測った斜面の角度です。平らな地面ではcos 0が1なので、垂直抗力は重さに等しくなります。30度の斜面ではcos 30が0.866なので、10 kgの物体の垂直抗力は84.93 Nで、重さは98.07 Nです。式は、重さのうち面を押している割合を掛けたもので、残りの重さは物体を坂の下へ引く成分、m × g × sin θになります。
- 斜面上で垂直抗力が重さより小さくなるのはなぜですか
- 重さの一部がそもそも面を押していないからです。重さは下向きの1つの力で、斜面では面に垂直な部分と面に平行な部分に分けると扱いやすくなります。面が支えなければならない重さの成分は、垂直な部分だけです。30度では重さの87%、45度では71%、60度では50%です。残ったmg sin θが、物体を斜面下向きに引っ張ります。
- 斜面上の質量の垂直抗力はどう求めますか
- 質量と斜面の角度を入れるだけです。重力が9.80665 m/s²に固定されているので、ほかに何も要りません。1,500 kgの車を10度のスロープに載せると、垂直抗力は1,500 × 9.80665 × cos 10 = 14,486.5 Nで、斜面下向きの成分は2,554.4 Nです。質量ではなく重さが先に手元にあるなら、9.80665で割ってから入れるか、そのままcos θを掛けてください。表示される桁までは同じ答えになります。
- 平らな地面では垂直抗力はいくらですか
- 重さそのもの、m × gです。斜面の角度が0度のときコサインは1、サインは0なので、水平な床に立つ70 kgの人は686.47 Nで支えられ、斜面下向きの成分は0です。2つが等しくなるのはこの角度だけで、だから平らな場合を最初に試す価値があります。坂で2つの数が離れる前に、このページが何をしているのかが分かるからです。
- 垂直抗力はどちらを向いていますか
- 面に垂直で、面から離れる向きです。幾何学で垂直と言えばそういう意味です。30度の斜面では鉛直から30度傾いた向きを向き、重さと同じ向きではありません。面に垂直なので、その面に沿って滑る物体に対して仕事をしません。力と動きが直角で、積が0になるからです。原因ではなく応答で、2つの面が互いにすり抜けないために必要なだけの値をとります。
参考文献
- 垂直抗力・張力・その他の力の例(College Physics 2e, §4.5 Normal, Tension, and Other Examples of Forces)— 垂直な応答としての垂直抗力、および平らな地面でだけmgに等しくなる理由 — OpenStax
- Normal force — 接触力の垂直成分としての定義と、斜面の計算例 — Wikipedia
- Inclined plane — 重さを面に平行な成分と垂直な成分に分けること、そこから続く摩擦の条件 — Wikipedia
- NIST Guide for the Use of the International System of Units (SI), Appendix B.8 — Factors for Units Listed Alphabetically: 重量ポンドの行(1 lbf = 4.448 222 N)。このページの2行目の換算に使っている — NIST