摩擦力計算
計算結果
摩擦力
- 摩擦力(kN)
- 0.300 kN
- 摩擦力(lbf)
- 67.4 lbf
- すべり出すまでの斜面の角度
- 30.96 °
摩擦力の計算ツールです。2つの面と、それがどれだけ強く押し付け合っているかが分かっているときに、物を引きずるのにどれだけの力が要るかを求めます。式はF = μ × Nで、μはその面の組み合わせの摩擦係数、Nは面を押し付ける垂直抗力です。既定値はコンクリートの床の上の50 kgの木箱で、摩擦係数0.6に垂直抗力500 Nを掛けて300 N、30 kgの米袋ほどの重さで、これが動かすために打ち勝たなければならない力です。力は2つの入力のどちらに対しても線形なので、荷重を2倍にしても摩擦係数を2倍にしても力は2倍になります。このページは摩擦角も出します。μを、物が滑らずに載っていられるいちばん急な坂として表したもので、ここでは30.96度です。これは計算の予測する向きです。材料の性質と荷重を与えて、力を読み取ります。逆に力を測って摩擦係数を知りたい場合は、摩擦係数のページが同じ式を逆に解いたものになります。
垂直抗力500 Nのときの、摩擦係数ごとの摩擦力
| 摩擦係数 | 摩擦力(N) | 摩擦力(kgf) |
|---|---|---|
| 0.1 | 50 | 5.1 |
| 0.3 | 150 | 15.3 |
| 0.5 | 250 | 25.49 |
| 0.7 | 350 | 35.69 |
| 0.9 | 450 | 45.89 |
どの行も荷重は同じ500 Nなので、変わるのは摩擦係数だけです。摩擦力は係数に比例して、0.1で50 N、0.9で450 Nになります。この直線がF = μNの中身そのものです。ここで変えているのは材料ではなく係数だという点も見ておいてください。この表が答えるのは、ある係数がどれだけの力を生むかということです。摩擦係数のページにある材料の表が答えるのは、ある面の組み合わせがどんな係数を持つかということです。2つを並べて読むと、材料の名前から押す力の数まで2歩で行けます。
公式
摩擦力 = μ × N、摩擦角 = arctan μ
- μ
- その面の組み合わせの摩擦係数で、単位のないただの数です。氷で0.05前後、乾いたコンクリートの上のゴムで0.6から0.9、熱いレーシングタイヤで1.4です。負にはできませんが、1を超えることはあります。禁じる規則はありません
- N
- 垂直抗力で、単位はN。面を押し付け合う力で、平らな地面では物体の重さ、坂ではそれより小さく、何かが上から押していれば大きくなります。同じ欄でキロニュートン、ポンド力、キログラム重も選べます。ここでは0も正しい値です。押し付け合っていなければ摩擦はありません
- F
- 摩擦力で、単位はN、kN、lbf。3つの行は同じ数を3つの目盛りで表したものです。物を一定の速さで滑らせ続けるのに必要な力で、ほかの何かが動かそうとしているときに面が出せる最大の力でもあります
- θ
- 摩擦角で、arctan μを度で表したものです。荷重ではなく摩擦係数だけで決まるので、垂直抗力が0でも値を持ちます。重さを変えても動かない、出力パネルで唯一の行です
面が何でできているか分かっていて、力を知りたいときに使います。ウインチがパレットを引きずるのに足りるか、クランプが部品を滑らせないようにどれだけ強く掴めばよいか、ある道路での車の制動限界はどこか、ベルトコンベアが坂でどれだけの荷を滑らせずに運べるか、濡れた床で人が実際にどれだけの押す力を出せるか、といった場面です。材料のデータを、機械の設計が前提にすべき数に変える向きの式で、だから実際には測る向きよりずっと多く出てきます。2つの習慣が答えを役に立つものにします。1つ目は、静止摩擦係数のほうで設計することです。動き出すには動き続けるより1割から2割多くの力が要るので、このページの数ぴったりに設計したウインチは荷を動かし始められません。2つ目は、入力する前に垂直抗力が実際いくつなのかを確かめることです。坂の上では重さではなくmg × cos θになり、坂では摩擦が減るいっぽうで重力の斜面方向の成分が増えるので、緩く見える傾斜でも物が滑ります。
計算例
100 lbの木箱をコンクリートの床で横に押す
- 木箱の重さは100 lbf、つまり444.82 Nです。平らな地面ではこれがそのまま垂直抗力になります(この欄はSI単位を受け取って換算します)
- 摩擦力:0.6 × 444.82 = 266.9 N
- ほかの目盛りでは:0.267 kN、60 lbf
- 摩擦角:arctan 0.6 = 30.96度
100ポンドの木箱を滑らせ続けるのに60ポンドの押す力が要る、というのは感触として持っておく価値のある数です。多くの人の想像より大きく、人が持ち上げられる木箱が押せない木箱である理由でもあります。最後の行を最初の行と並べて読んでください。角度は力の数を一切使わずに出ていて、面だけの性質で決まっています。この独立性は摩擦係数を選ぶときに思い出す価値があります。0.6は31度で、木箱が10 lbfでも1,000 lbfでも同じで、変わるのは力だけです。
同じ床で荷重を2倍にする
- 変わるのは垂直抗力だけ:このページの既定値500 Nに対して1,000 Nで、2倍です
- 摩擦力:0.6 × 1,000 = 600 N
- ほかの目盛りでは:0.600 kN、134.9 lbf
- 摩擦角:arctan 0.6 = 30.96度、μが変わっていないので同じです
この2つの算例が、このページの構造そのものです。力は垂直抗力に線形で、角度は関知しません。車について摩擦が重さに依存しないと言われるのも同じ理由です。重い車は止まるのに比例して多くの力を要し、出せる力も比例して多いので、制動距離はほとんど変わりません。このきれいな打ち消しがあるので、このページで状況をまたいで持ち運べる数は摩擦角のほうで、ニュートンのほうは荷重が変わるたびに計算し直す必要があります。
乾いたアスファルトの上の熱いレーシングタイヤ
- 摩擦係数1.4、コーナリング中のタイヤの荷重8,000 N
- 摩擦力:1.4 × 8,000 = 11,200 N
- ほかの目盛りでは:11.2 kN、2,517.9 lbf — 横方向に1トンあまりのグリップです
- 摩擦角:arctan 1.4 = 54.46度
摩擦係数が1を超える値もここでは正しい入力で、荷重より大きな答えを返します。それがレーシングタイヤのしていることです。タイヤは、上から押さえつけている重さより強く横に引けます。何も破ってはいません。μが1未満に収まるという日常の印象は、定義からではなく普通の面から来ていて、その差が出るのがこの場合です。摩擦角54.46度は、タイヤが滑り出す前に保てるいちばん急な斜面で、道路がそんな勾配で造られることはありません。つまり、グリップは坂のためにあるのではなくコーナーのためにあるということです。
適用限界
この式は、摩擦が垂直抗力に比例し、ほかの何ものにもよらないと言いますが、ほかの何もが正しいわけではありません。接触面積を無視していますが、固い材料ではよい近似です。滑る速さも無視していますが、これはゴムとブレーキでは効いてきます。面が熱くなると係数が下がるからです。どれだけ長く接触していたかも無視しています。高分子が相手では、これが効きます。このページは入力された動摩擦係数で計算するので、そもそも動き出すかどうかという面白い問いには静止摩擦係数が要ります。そちらは1割から2割大きく、このページに入れる欄はありません。垂直抗力は入力なので、物が坂の上にあればmg cos θを自分で用意しなければなりませんし、何かが上から押していたり持ち上げていたりすればそれも入れなければなりません。Nを所与として受け取るページは、そのNが間違っているときに警告できません。単一の平らな接触を前提にしています。4つのキャスターの上の木箱、ドラムに巻き付いたベルト、カプスタンを回るロープは、どれも接触が複数あったり垂直抗力が一様でなかったりして、この模型の外です。転がり抵抗についても何も言いません。それは2桁小さい別の係数で、車輪のついたものすべてを実際に支配しているのはそちらです。定常状態の結果でもあります。動き出す瞬間の力はこれより大きく、加速しているあいだの力はこれに質量かける加速度を足したものになります。
よくある質問
- 摩擦力の公式は何か
- F = μ × Nで、摩擦係数かける面を押し付ける垂直抗力です。コンクリートの床の上の木箱でμが0.6、垂直抗力500 Nなら、滑らせ続けるのに0.6 × 500 = 300 Nの押す力が要ります。力は両方の項に線形なので、荷重を2倍にしても係数を2倍にしても力は2倍、どちらかを半分にすれば半分になります。
- 荷重を変えても摩擦角が変わらないのはなぜか
- arctan μだからで、μは荷重ではなく面の性質です。垂直抗力を2倍にすると摩擦力も2倍になるので、その比、つまり角度を決めているものが変わりません。垂直抗力が0でも角度が値を持つ理由も同じです。押し付け合っていなければ摩擦力はありませんが、面にはやはり係数があり、μ = 0.6ならそれを表す角度は30.96度のままです。
- ここでは静止摩擦係数と動摩擦係数のどちらが要るのか
- 問いによります。一定の速さで動かし続けるのにどれだけの力が要るかを知りたいなら動摩擦係数が正しく、このページが計算するのはそれを入力した場合です。ウインチや人がそもそも動かし始められるかどうかを知りたいなら静止摩擦係数が要り、こちらは1割から2割ほど大きいのが普通です。だから引く力は静止摩擦係数のほうで見積もってください。荷が動き出した瞬間に力が落ちて、荷はぐっと来ます。
- 摩擦力は物体の重さより大きくなることがあるのか
- 摩擦係数が1を超えるときは、あります。熱いレーシングタイヤはμ = 1.4で、荷重8,000 Nから11,200 Nの横方向の力を出します。これは荷重そのものより大きい値です。珍しいことではありません。係数は2つの力の比で、その比が1未満でなければならない理由はどこにもありません。驚いて見えるのは、身のまわりの面がたまたま1未満に収まっているからで、よく知られた経験則はそこから来ています。
- 垂直抗力は重さそのものか
- 平らな地面で、ほかに何も触れていないときだけです。坂の上ではmg × cos θなので、20度の傾斜ですでに6パーセントほど小さくなります。しかも重力の斜面方向の成分が物を下へ引いているので、摩擦角よりずっと緩い角度でも物は滑ります。何かが上から押していたり、上へ引いていたりすれば、それも垂直抗力を変えます。このページは入力された垂直抗力をそのまま使います。
- 床の上の箱を押すにはどれだけの力が要るのか
- 摩擦係数に重さを掛けます。コンクリートの上の50 kgの木箱(490 N)をμ = 0.6で押すなら、動かし続けるのに294 N、動き出すにはその1割から2割増しでおよそ340 Nです。人が同じ滑りやすい床に立って出せる押す力は、楽な姿勢で200 Nから300 Nほどなので、コンクリートの上の40 kgを超える木箱は2人がかりか台車の仕事になります。重い物を滑らかな床で押すのは持ち上げるよりずっと楽で、摩擦係数が測っているのはその楽さ加減です。
参考文献
- Friction(College Physics 2e, §5.1)— F = μN、実測された係数の表、そして静止摩擦が動摩擦より大きい理由 — OpenStax
- Friction — F = μNの掛ける数としての垂直抗力と、係数が一方の材料ではなく面の組み合わせで決まる理由 — Wikipedia
- NIST Guide to the SI — ニュートンと、入力欄と出力の行で使っているポンド力とキログラム重の正確な係数 — National Institute of Standards and Technology