E=mc²計算
計算結果
放出エネルギー
- エネルギー(J)
- 89,875,517,873,682 J
- エネルギー(kWh)
- 24,965,421.6 kWh
- エネルギー(kt TNT)
- 21.481 kt TNT
E = mc²の計算ツールです。質量がすべてエネルギーに変わったらどれだけになるかを、一行の式で出します。式はE = m × c²で、cは真空中の光速299,792,458 m/sです。これが2乗されるので、桁がとんでもないことになります。既定値は物質1グラムで、89.876テラジュール、89,875,517,873,682ジュール、24,965,421.6キロワット時、21.481キロトン(TNT換算)です。最後の数は覚えておく価値があります。広島の爆弾がおよそ15キロトンでしたから、1グラムのほうが大きいのです。ジュールの行は14桁のまま出しています。科学的表記に隠していないのは、答えの大きさそのものがこの式の主張だからです。参考表は同じ式を1ミリグラムから1キログラムまでたどります。エネルギーは質量に比例し、比例定数がc²である、というのがこのページが扱う関係のすべてです。このページが主張していないこともはっきりさせておきます。ここで出るのは完全変換の値で、化学反応も核反応もそこには届きません。どれだけ届かないかは下の「制限」に書いてあります。
質量から出るエネルギー、1ミリグラムから1キログラムまで
| 質量(g) | エネルギー(TJ) | エネルギー(kt TNT) |
|---|---|---|
| 0.001 | 0.09 | 0.021 |
| 1 | 89.876 | 21.481 |
| 1000 | 89875.518 | 21480.764 |
質量が1,000倍ずつ違う3つの行と、答えが1,000倍ずつ違う3組。これがE = mc²の中身そのものです。エネルギーは質量に比例し、比例定数がc²です。1ミリグラムはちりの粒ほどで、0.09 TJ、およそ25メガワット時。小さい発電所が1日に出すくらいの量です。1グラムは89.9 TJ、21.5キロトンで、広島に落とされた爆弾より大きい数です。1キログラムは89.9ペタジュール、21.5メガトンになります。3つの行は別々の事実ではなく、ものさしとして読んでください。質量を1,000倍すればどの列も1,000倍になり、その型は決して崩れません。表の中の数は計算結果をそのまま出しているので、4桁の数にも3桁ごとの区切りは入っていません。
公式
E = m × c²、c = 299,792,458 m/s(定義値)、1キロワット時 = 3.6 × 10⁶ J、1キロトン(TNT換算) = 4.184 × 10¹² J
- m
- 質量(グラム)。欄ではキログラム・トン・ポンドも選べます。グラムから始まるのは、最初に尋ねられるのがたいてい1グラムだからです
- c
- 真空中の光速で、ちょうど299,792,458 m/s。1983年以降これは測定値ではなく定義値です。メートルが光の進む時間で定義されているので、cには不確かさがまったくなく、cから計算した値にもありません
- E
- 放出されるエネルギー。テラジュール・ジュール・キロワット時・キロトン(TNT換算)の4通りで出ます。ジュールが生の答えで、残りの3つは同じ量を思い描ける単位に置き換えたものです。電気の検針票、発電所、ニュースの見出しのことです
このページは質量とエネルギーの規模をつかむためのものです。1グラムが消え去ったらどれだけになるのか、原子炉や化学反応がそのうちのどれだけを実際に取り出しているのか、核分裂の質量欠損が小さいのになぜ無視できないのか、あるエネルギー需要が本当はどれだけの燃料を意味するのか。決着をつけるためのページでもあります。この式はいつも引用され、そしてほとんどいつも単位が間違っていたり、何であれ1キログラムが発電所で9 × 10¹⁶ジュールを出すという印象のまま使われたりしています。ここで出るのは理論上の上限です。実際に面白いのはいつも、本物の過程がその何割に届くかで、答えはガソリンを燃やして100億分の1から、核分裂のおよそ1,000分の1まで幅があります。出力を役に立てるコツが2つあります。1つめは、爆発を考えているときはキロトンの行、電気を考えているときはキロワット時の行を読むことです。ジュールは大きすぎて実感が持てません。2つめは、ここでいう質量は「消える質量」だということです。本物の反応では、燃料の質量から残ったもの全部の質量を引いた差であって、燃料の質量そのものではありません。
計算例
物質1グラム
- 質量:1 g = 0.001 kg(計算はSI単位で行います)
- エネルギー:0.001 × 299,792,458² = 8.9875517873681776 × 10¹³ J
- 主結果の単位に直す:89,875,517,873,682 J = 89.876 TJ
- 電気に直す:89,875,517,873,682 ÷ 3.6 × 10⁶ = 24,965,421.6 kWh(25ギガワット時)
- TNT換算:89,875,517,873,682 ÷ 4.184 × 10¹² = 21.481キロトン
この式が引用されるときの数で、効くのはTNTの行です。21.5キロトンに対して広島の爆弾がおよそ15キロトンなので、物質1グラムのほうが、都市に落とされた最初の1発より大きいことになります。電気の行は同じことを別の通貨で言っています。25ギガワット時は大きな発電所が1日に出す量にだいたい等しく、それが1グラムから出るのです。ジュールの行も読んでください。89,875,517,873,682は14桁で、このページはそれをわざと全部出しています。9.0 × 10¹³と書けば、この式が有名な理由そのものを静かに隠すことになるからです。
1キログラム、質量エネルギーとしてよく引用される値
- 変わったのは質量だけ:1 gではなく1,000 gで、1,000倍
- エネルギー:89,875,517,873,682 × 1,000 = 8.987551787368176 × 10¹⁶ J
- 主結果の単位に直す:89,875.518 TJ
- 電気に直す:24,965,421,631.6 kWh(25テラワット時)
- TNT換算:21,480.764キロトン、つまり21.5メガトン
21.5メガトンはどの教科書にも、核兵器についてのどんな乱暴な議論にも出てくる数ですが、それが何を意味するかは正確に押さえておく価値があります。原子炉の中で1キログラムのウランがする仕事ではありません。あちらはおよそ8 × 10¹³ Jで、この数の1,000分の1です。まして1キログラムのガソリンの仕事でもありません。あちらはおよそ4.6 × 10⁷ Jで、20億倍足りません。これはキログラム全体が変換されたときの値で、実際にそれが起きるのは物質が反物質と出会うときだけです。この行を上の行と並べれば式の全体が見えます。質量が1,000倍になればどのエネルギーも1,000倍になる。c²はただの定数だからです。
ヤード・ポンド法で計算する人向けの1ポンド
- 1 lb = 453.59237 g(欄はグラムを受け取り、ポンドはキログラムで厳密に定義されています)
- エネルギー:0.45359237 × 299,792,458² = 4.076684915730068 × 10¹⁶ J
- 主結果の単位に直す:40,766.849 TJ
- 電気に直す:11,324,124,765.9 kWh(11.3テラワット時)
- TNT換算:9,743.511キロトン(9.7メガトン)
質量がポンドで与えられたとき、それを完全に変換すると10メガトン弱になります。1キログラムの行の半分弱で、1ポンドが0.5キログラム弱であることから考えれば当然の値です。これを載せているのは、ポンドがキログラムで厳密に定義されているので換算が近似ではなく厳密になり、誰かがヤード・ポンド法で引用した数値を手早く検算するいちばん速い道でもあるからです。そのポンドが何の物質かは関係ありません。この式には化学がまったく入っていないからです。
適用限界
このページは質量が完全にエネルギーへ変わる場合を計算しています。身のまわりの出来事でそれが起きるものはありません。ガソリンが燃えると、燃料の質量の100億分の1ほどが変わります。核分裂では1,000分の1ほど、太陽の中の核融合でも1,000分の7ほどです。どれも実際の過程で、どれもこのページが出す数には遠く及びません。この数は予測ではなく上限です。TNT換算には定義値を使っています。1948年に熱化学カロリーが決められたときに合意された、1トンあたり4.184 × 10⁹ジュールです。ただし実際の爆薬は1トンあたりこれよりやや少ないエネルギーしか出しません。すべての材料が反応するわけではなく、爆風が対象ではなく空気に対して仕事をするからです。キロワット時の行は単位の換算にすぎません。発電所が1グラムからこれだけ取り出せるという意味ではなく、これだけのジュールがこれだけのキロワット時に等しいというだけです。表示上の限界も知っておいてください。およそ5.5マイクログラムより小さいと、テラジュールの行は0.000に丸められます。小さな質量ではジュールの行を読んでください。エネルギーが消えたわけではなく、グラムとキログラムに合わせて選んだ単位の小数第3位を下回っただけです。ここには基準系によって変わるという意味での相対論は入っていません。c²は定数で、式はどの基準系でも成り立ちます。ただし動いている物体の運動エネルギーはこの式ではなく、光速に近い速度では物体の全エネルギーはローレンツ因子のぶんだけmc²より大きくなります。
よくある質問
- E = mc²は何を計算するのか
- 質量そのものが持っているエネルギーの総量です。キログラムで表した質量に、光速299,792,458 m/sの2乗を掛けます。1グラムなら0.001 × 299,792,458² = 8.99 × 10¹³ジュールで、これは89.9テラジュール、21.5キロトン(TNT換算)にあたります。質量に閉じ込められた全量であって、特定の反応が取り出す量ではありません。実際の反応が何割に届くかは、下の回答に書いてあります。
- なぜ光速の2乗なのか
- 導出がそうなるからです。値がこれほど大きいのは、cそのものが大きく、さらに2乗で効いてくるからで、299,792,458²はおよそ9 × 10¹⁶になります。1905年の原論文ではこの式はm = E/c²の形で出てきます。こちらのほうが自然に読めます。物体の慣性はそのエネルギーをc²で割ったもので、c²が途方もなく大きいので、小さな質量が莫大なエネルギーに対応するのです。
- 原子炉はこのエネルギーのどれだけを実際に取り出しているのか
- およそ1,000分の1です。核分裂は燃料の質量のおよそ0.1パーセントをエネルギーに変えるので、ウラン1キログラムはこのページが出す9 × 10¹⁶ジュールではなく、およそ8 × 10¹³ジュールを放出します。それでも同じ質量の石炭を燃やすより数百万倍大きい値です。核融合はもっとよく、およそ0.7パーセントで、太陽の燃料が長持ちするのはそのためです。化学反応はどちらにも遠く及びません。ガソリンを燃やしても、質量の100億分の1ほどしか変わりません。
- なぜジュールではなくキロトン(TNT換算)なのか
- 9 × 10¹³ジュールと言われても実感が持てないからです。キロトン(TNT換算)は4.184 × 10¹²ジュールと定義されているので換算は厳密で、しかも爆発を伝えるときの単位でもあります。物質1グラムは21.5キロトンになり、広島の爆弾がおよそ15キロトンでした。ジュールの行も省略せずに全部出しています。あの数の大きさこそがこの式の主張だからです。
- 式に入れる質量は燃料の質量なのか
- 本物の反応では違います。入れるのは「消える質量」、つまり燃料の質量から残ったもの全部の質量を引いた差です。核分裂ではその差が燃料のおよそ0.1パーセントで、その割合がエネルギーになるのです。このページは入力した質量が完全に変換されるものとして計算します。原子炉が達成する値ではなく上限です。実際の燃料のエネルギーが欲しいときは、燃料の質量ではなく質量欠損のほうを使ってください。
- 小さな質量でテラジュールの行が0.000になるのはなぜか
- テラジュールが非常に大きな単位で、行が小数第3位までしか出していないからです。およそ5.5マイクログラムより小さいと答えは0.0005 TJを下回り、丸めると0になります。エネルギーが消えたわけではありません。ジュールの行を読んでください。1マイクログラムでも89.9メガジュールとはっきり見えます。ガソリン2.5リットルほどのエネルギーです。
参考文献
- Mass–energy equivalence — その導出、核分裂と核融合における質量欠損、そして実際の過程が変換する静止質量の割合 — Wikipedia
- TNT equivalent — 1トンあたり4.184 × 10⁹ Jという約束、その熱化学カロリーに由来する根拠、そして実際の火薬がそこに届かない理由 — Wikipedia
- NIST Guide to the SI — 光速で定義されるメートルと、上で使ったキログラム・ポンド・ジュールの正確な係数 — National Institute of Standards and Technology