電圧降下計算
計算結果
電圧降下
- 電圧降下率
- 3.60%
- 負荷点の電圧
- 221.72 V
- ケーブルでの電力損失
- 165.52 W
電圧降下計算ツールです。電源電圧・電流・ケーブル長(片道)・導体の断面積を入れると、負荷に届く前にケーブルで失われる電圧を、ボルトと電源に対する割合の両方で求めます。式はV_drop = 2 × L × I × ρ / Aで、先頭に2が付くのは、電流が行きの導体を通って帰りの導体を戻ってくるため、ループの長さが入力した片道の2倍になるからです。そのため電圧降下率と、負荷点の電圧、ケーブルでの電力損失もあわせて表示します。太い線ほど降下は小さく、同じ電流なら1.5 mm²から25 mm²にして16倍以上小さくなります。
AWG線規:直径・断面積・抵抗
| AWG | 直径(mm) | 断面積(mm²) | 抵抗(Ω/km) |
|---|---|---|---|
| 18 | 1.0237 | 0.823 | 20.948 |
| 16 | 1.2908 | 1.3087 | 13.174 |
| 14 | 1.6277 | 2.0809 | 8.286 |
| 12 | 2.0525 | 3.3088 | 5.211 |
| 10 | 2.5882 | 5.2612 | 3.277 |
| 8 | 3.2636 | 8.3656 | 2.061 |
| 6 | 4.1154 | 13.3018 | 1.296 |
| 4 | 5.1894 | 21.1506 | 0.815 |
線規は18から4までで、番号が小さくなるほど数は大きくなります。AWG 18は直径1.02 mm・0.82 mm²、AWG 4は5.19 mm・21.15 mm²です。真ん中の2列はどちらも線規の定義式から出ていて、その式では番号を3つ下げると面積が2倍になるので、値は丸い数ではなく不揃いに見えます。最後の列は20 °Cにおける1本の導体の1 kmあたりの抵抗で、ここで実際に効いてくる量です。細い線で20.95 Ω/km、太い線で0.815 Ω/kmと、およそ25倍の開きがあります。
導体サイズごとの電圧降下(230 V・20 A・片道30 m)
| 導体(mm²) | 抵抗(Ω/km) | 電圧降下(V) | 降下率(電源に対する%) |
|---|---|---|---|
| 1.5 | 11.49 | 13.79 | 6 |
| 2.5 | 6.9 | 8.28 | 3.6 |
| 4 | 4.31 | 5.17 | 2.25 |
| 6 | 2.87 | 3.45 | 1.5 |
| 10 | 1.72 | 2.07 | 0.9 |
| 16 | 1.08 | 1.29 | 0.56 |
| 25 | 0.69 | 0.83 | 0.36 |
どの行も電源・電流・長さを230 V・20 A・片道30 mに固定し、導体だけを変えているので、この表はこのページ自身の計算を7回走らせたものです。既定値の2.5 mm²に対応するのは2行目で、8.28 V・3.6%、アンバーの区分です。1行目と最後の行を並べて読むとケーブルの選択が何の価値を持つかが見えます。ほかに何も変えていない回路で、1.5 mm²なら13.79 V・6%、25 mm²なら0.83 V・0.36%です。なお3%と5%の区分は米国電気工事規程(NEC)の推奨値で、日本の規格の値ではありません。
公式
V_drop = 2 × L × I × ρ / A(ρは銅の20 °Cにおける0.0172414 Ω·mm²/m)
- L
- ケーブルの片道の長さで、単位はmまたはftです。電源から負荷までの距離であって、銅の全長ではありません。このページでいちばん気づかずに間違えやすい入力がこれです。30 mの区間には60 mの導体が要ります。電流が行って戻ってくるからで、式の先頭の2はすでにそれを織り込んでいます。30ではなく60と入れると、このページの答えがすべて2倍になりますが、それは誤りというより『少し長い区間かな』という見え方をします。
- I
- 負荷が取る電流で、単位はAです。2本の導体には同じ電流が流れるので、ループ抵抗の半分ではなく全体にかかります。電圧降下は電流に正比例するので、負荷を2倍にすれば損失も2倍になります。損失は電力を食うので、重い負荷の長い区間は電圧を下げるだけでなくエネルギーも無駄にします。
- A
- 導体の断面積で、単位はmm²です。買ってきたケーブルに印字されている数です。分母にあるので、ここが動かせるレバーになります。電圧降下を半分にしたければ断面積を2倍にします。下の表は同じ負荷で1.5 mm²から25 mm²まで動かすとどうなるかを示しており、同じ電流を流すにしても長い区間ほど太いケーブルが要る理由でもあります。
- ρ
- 導体の抵抗率で、20 °Cの軟銅で0.0172414 Ω·mm²/mです。IACSの100%導電率の基準の値でもあります。アルミニウムはこの約1.64倍なので、同じ太さのアルミ導体は約64%多く電圧を落とします。ここでは銅の抵抗が温度で変わることは考えていません。温まった導体は表の値より抵抗が大きいので、この計算ツールが出すのは最良の場合の値です。
- 2
- ループにある2本の導体、行きが1本と帰りが1本です。安全率でも補正係数でもありません。これを落とすと、降下をちょうど半分に見積もることになります。単相回路と直流回路のどちらにも必要です。平衡三相回路は式そのものが別で、このページでは扱いません。
ケーブルを少しでも長く引く前に使ってください。とくに低圧直流では、電源電圧が小さいので損失の占める割合が効いてきます。12 Vの回路で1 V落ちれば電源の8%を失ったことになりますが、同じケーブルに同じ電流を流しても230 Vなら落ちるのは同じ1 Vで、それは0.4%なので誰も気にしません。園芸用の照明、船内配線、太陽光パネルの計算ツールがケーブル長を尋ねるのはこのためで、ここでの答えがボルトだけでなく割合でもある理由でもあります。比べる相手は、その割合です。
計算例
既定値:230 V・20 A・片道30 mを2.5 mm²で
- 電源230 V、負荷電流20 A、片道30 m、導体2.5 mm²
- ループの抵抗は2 × 30 × 0.0172414 / 2.5 = 0.4138 Ω
- 電圧降下は20 × 0.4138 = 8.28 Vで、電源の8.28 / 230 = 3.6%
- 負荷点は230 − 8.28 = 221.72 V、2本の導体で8.28 × 20 = 165.52 Wを消費する
真ん中の2つの数を並べて読んでください。それがこのページの要点です。3.6%は分岐回路の3%という推奨を超え、全体の5%という推奨の内側なので、バッジはアンバーになります。これが電圧降下の計算がいちばん役に立つところで、降下があるかどうかではなく、ぎりぎりの線に来ていることを教えてくれます。4行は互いにも閉じています。8.28 + 221.72 = 230、8.28 × 20 = 165.52なので、入力を1つ変えたら残りを計算し直して、パネルどうしを突き合わせて確かめられます。なお最初のステップの長さは片道です。電源から負荷までの30 mで、導体は行きと帰りを合わせて60 mあり、式の先頭の2がそれを表しています。
同じケーブルで電流を半分、長さを3分の2に
- 電源230 V、負荷電流10 A、片道20 m、導体2.5 mm²
- 電流を半分にし、長さを30 mから20 mに縮めると、降下は0.5 × 0.667倍になる
- 8.28 V × 0.333 = 2.76 Vで、230 Vの1.2%
- 負荷点は227.24 V、ケーブルが無駄にするのは165.52 Wではなく27.59 W
電圧より無駄のほうがはるかに速く減るので、そこは見ておく価値があります。降下は3分の1になっただけなのに、失う電力は6分の1になりました。失う電力は降下と電流の積で、そのどちらも下がったからです。長くて細く、負荷の重い区間が高くつくという話の裏にある計算がこれです。見るべき数はボルトではなく割合のほうだということも分かります。2.76 Vと聞くと1.2%より大きく感じますから。
低圧直流:12 V・1 A・片道5 mを1.5 mm²で
- 電源12 V、負荷電流1 A、片道5 m、導体1.5 mm²
- ループの抵抗は2 × 5 × 0.0172414 / 1.5 = 0.1149 Ω
- 電圧降下は1 × 0.1149 = 0.11 Vで、負荷点は11.89 V
- 12 Vに対する割合では0.96%で、推奨の内側に余裕をもって収まる
短くて負荷も軽いので、ケーブルはほとんど何もしていません。それでも12 Vの電源では割合がすでに1%近くあり、同じケーブルを230 Vで使えば0.05%です。低圧の設備に意外なほど太いケーブルが要る理由を説明してくれる比較がこれです。落ちるボルト数は電流とケーブルで決まり、電源電圧がいくつかを知りませんし気にもしません。電源電圧を小さくすれば分母が小さくなり、割合のほうが破綻します。
電源が役に立たないと分かる場合
- 電源12 V、負荷電流20 A、片道100 m、導体1.5 mm²
- ループの抵抗は2 × 100 × 0.0172414 / 1.5 = 2.299 Ω
- 電圧降下は20 × 2.299 = 45.98 Vで、12 Vの電源の383%
- 負荷点の行は−33.98 Vという負の数になる
負の電圧は不具合ではなく答えです。1.5 mm²のケーブルを100 m引いて12 Vの電源から20 Aを取り出すのはそもそも成り立たず、モデルが現実を説明できる範囲を越えたということです。0を表示せず数をそのまま負のままにしてあるのは意図的で、0だと『電圧が来ていない負荷』という成り立つ結果に見えてしまうからです。実際に起きているのはこの設備が不可能だということで、区間を短くするか、はるかに太い導体が要ります。ここに出る答えは919 Wの損失も含めてすべて警告です。
適用限界
抵抗率は20 °Cの軟銅の値で固定しているので、負荷で温まった導体は抵抗が大きくなり、ここに出るより大きな降下になります。この数値は最良の場合です。抵抗率が約1.64倍あるアルミニウムは扱っていません。平衡三相回路は別の式になり、ここでは対象外です。負荷は固定の電流として扱っていますが、実際の定電力負荷は電圧が下がるほど多くの電流を取るので、降下は予測より少し悪くなります。もう1つ、3%と5%という区分は米国電気工事規程(NEC)の推奨値であって強制力のある規則ではなく、日本の電気設備技術基準や内線規程の数値でもありません。
よくある質問
- ケーブル長は片道の距離ですか、全長ですか
- 電源から負荷までの片道の距離です。そしてこれが、このページがいちばん引っかけやすい間違いです。電流は一方の導体で電源を出て、もう一方の導体で戻ってくるので、回路には2本ぶんの長さの銅があり、式の先頭の2がそれを織り込んでいます。つまり30 mの区間は60 mのケーブルということです。長さの欄に60と入れるとすべての答えが2倍になりますが、それは誤りというより少し長い区間かなという見え方をするので、式はもっともらしく見えたまま2倍ずれた値になります。
- 負荷点の電圧が負になるのはなぜですか
- その電源からその電流をその距離まで送れないので、モデルが扱える範囲を越えているからです。12 V・20 A・100 m・1.5 mm²の計算例では、ループ抵抗が約2.3 Ω、降下が46 Vで電源の4倍近くになります。負の負荷電圧はそのまま使える測定値ではなく、この組み合わせは成り立たないので区間を短くするか導体を太くするか電源電圧を上げてください、という算術の答えです。0に切り詰めずそのまま見せているのは、成り立たないことを見えるようにするためです。
- 電圧降下はどのくらいまで許されますか
- この3%と5%は、米国電気工事規程(NEC)が条項210.19(A)と215.2(A)の注記で示している推奨値です。分岐回路で3%以下、フィーダから分岐回路へ送る全体で5%以下という目安で、強制力のある規則ではなく、米国の慣行でもあります。ほかの規格やほかの国は別の数値を使っており、日本の電気設備技術基準や内線規程が定めた数値ではありません。このページの3%と5%の区分はその推奨値を電圧降下率に当てはめたもので、普遍的な法則ではなく妥当な既定値です。
- ケーブルを太くするとどれだけ降下が減りますか
- 断面積に反比例します。面積が分母にあるからです。断面積を2倍にすれば電圧降下は半分になり、1.5 mm²から25 mm²にすると17倍近く小さくなります。このページの表は同じ230 V・20 A・片道30 mで両端を示していて、細いケーブルで13.79 V、太いケーブルで0.83 Vです。ただし費用に対しては直線的に変わらないので、実際の答えはたいてい、割合を推奨の内側に保ついちばん細いケーブルであって、いちばん太いものではありません。
- 導体の温度は影響しますか
- します。そしてこのページでは扱っていません。銅の抵抗は温度が1ケルビン上がるごとにおよそ0.4%増えるので、負荷で温まっている導体はここで使っている20 °Cの値より抵抗が大きく、計算より大きな電圧降下になります。連続電流の定格はその発熱を見込んで決められており、いっぱいまで使ったケーブルは周囲より数十度高くなることがあります。このページの数値は20 °Cでの最良の場合として扱い、推奨値に近い区間には余裕を足してください。
- 電線サイズの計算と同じものですか
- その半分です。電線サイズ計算ツールはこの計算を逆に回します。選んだ導体がどれだけ落とすかを教える代わりに、決めた上限の内側に収まるいちばん細い導体を教えます。どちらも同じ4つの入力を必要とし、同じ抵抗率を使うので、片方の数値はもう片方で再現できるはずです。ケーブルの選定はほかに許容電流と設備の要件も満たす必要があり、それはこのページが答えない別の問いです。
- 三相回路ではどうなりますか
- 式が別になり、このページは単相と直流だけを扱います。平衡三相回路では帰りの経路が相どうしで共有されるので、ループの係数は2ではなく√3になり、割合を出すときは電源電圧の代わりに線間電圧を使います。三相のフィーダに2本ぶんの計算を当てると降下を過大に見積もります。三相の設備を扱っているなら、相の構成を尋ねてくる計算ツールで数値を出してください。
参考文献
- NFPA 70 National Electrical Code, Article 210.19(A) Informational Note No. 4 and Article 215.2(A) — このページの区分の根拠である、分岐回路3%・全体5%という電圧降下の推奨値 — National Fire Protection Association
- International Annealed Copper Standard — 導電率100パーセントというIACSの定義。ここで使う抵抗率0.017241 Ω·mm²/mの出所 — Wikipedia
- Voltage drop — 導体長を往復で数える約束、R = ρL/Aからの導出、そして単相と三相の式の違い — Wikipedia