収率計算
計算結果
収率
- 実際の収量
- 8.500 g
- 理論収量
- 10.000 g
- 不足分(理論値と実測値の差)
- 1.500 g
この収率の計算機は、反応の両端にある2つの質量を受け取り、その比を報告します。関わる3つの量のうち、どの2つからでも計算できます。理論収量と実際の収量を入れれば百分率が出て、百分率と片方の質量を入れればもう片方の質量が出ます。3つすべてを入れると互いに照合されます。1%を超えて食い違う数は、どれかが間違っているという意味だからです。4行目が不足分をグラムで報告します。
各段階が好収率だったとき、全体でどうなるか
| 段数 | 各段階90%の全体収率 | 各段階80%の全体収率 |
|---|---|---|
| 1 | 90.00% | 80.00% |
| 2 | 81.00% | 64.00% |
| 3 | 72.90% | 51.20% |
| 5 | 59.05% | 32.77% |
| 10 | 34.87% | 10.74% |
2つの列は例示で、毎回きっかり90%になる反応はありません。そして示していることは数値に依存しません。全体収率は段数とともに指数関数的に落ちます。段階ごとの収率は掛けてください。平均してはいけません。90%の3段階を平均すると90%になってしまいますが、実際の答えは72.9%で、90%の10段階では材料の3分の1しか残りません。4段階すべてが95%だと報告している論文が、全体では81.45%だと報告しているのはこのためです。
公式
収率(%) = (実際の収量 ÷ 理論収量) × 100
- Y
- 収率そのもの。反応が得られたはずの量に対して実際に得られた割合を百分率で書いたものです。同じ物質の量どうしの比なので単位はありません
- 実際の収量
- 精製した生成物をはかり取った質量(g)。後処理の最後にはかりが示す数です
- 理論収量
- 釣り合った式が可能だと言う質量で、限定試薬から計算します。測られることはなく、計算されるだけです
合成の終わりに、生成物をはかり取り、式が予告していた量が分かったところで使います。式は割り算ひとつなので、このページの値打ちは、3つの数のうち足りないものを埋めてくれることと、2つが3つ目と矛盾する場合を捕まえることにあります。レシピの手早い健全性チェックにも使えます。文献が4段階で95%と主張するのは、0.95の4乗より多いと主張していることになり、下の表がそれを目に見える形にします。理論収量そのものが要るなら、それは限定試薬とモル比から出るもので、別のページの担当です。
計算例
約束の大半を返してくれた合成
- 実際の収量を理論収量で割る:8.5 ÷ 10 = 0.85
- 100を掛けて百分率にする:0.85 × 100 = 85%
- 引き算して、フラスコに残った分を見る:10 − 8.5 = 1.5 g
- 不足分の行は1.5 g。はかりの記録と突き合わせる数がこれです
これはこのページの初期状態で、85%はふつうの有機合成の収率です。発表できる水準ですが、定量的にはほど遠いものです。反応が小さいスケールのときは不足分の行が役に立つことに注目してください。1グラムの15%は思い描きにくいですが、1.5グラムならろ液の中を探せます。
目標の収率から逆算する
- 百分率と片方の質量が与えられているので、足りないほうの質量を求める
- 92%を分数に戻す:92 ÷ 100 = 0.92
- 理論収量に掛ける:0.92 × 5 = 4.6 g
- 不足分も続けて出る:5 − 4.6 = 0.4 g
- 3つの欄のうち2つしか埋まっておらず、このページは何も比較しない
ここで入れているのは理論収量と百分率だけで、それで完全な問いになっています。3つの量のうち2つあれば必ず3つ目が決まるからです。問題集がたいてい聞いてくる向きがこれで、実験室が規格を決めるときも同じです。92%の回収率は目標で、はかりに載っているべき質量がその目標の意味です。
100%を超える収率、不足分が負になる場合
- 割る:1.53 ÷ 1.5 = 1.02
- 百分率にすると102%。100を超えており、このページは拒否せずに報告する
- それでも引き算する:1.5 − 1.53 = −0.03 g
- マイナスは桁あふれではない。式が許すより多くをはかり取ったという意味
100%を超える収率は算数を壊しませんし、このページは意図的に切り詰めません。収率の欄は1,000%まで受け付けます。実際には、生成物が乾いていないか、試料が未反応の原料や副生成物を抱えているという意味です。負の不足分はそれを正直に印刷する方法です。理論が説明するより0.03グラム多く手元にあり、説明は式ではなく試料の側にあります。
適用限界
入力はどちらも生成物の質量なので、試薬の質量が与えられた問題は、まずそれを生成物に直す必要があります。それは理論収量の計算で、このページの仕事ではありません。2つの数は同じ物質の質量なので、百分率は単位に依りません。グラムで取った比は、モルで取った比と同じです。理論収量は、その背後にある化学量論と同じだけの正しさしかありません。限定試薬やモル比を間違えれば、その誤りはそのまま伝播し、百分率はまったくもっともらしく見えます。1%の一致検査が捕まえるのは3つの欄の間の矛盾で、ひとつの欄の内側の誤りではありません。そして高い収率は純度の主張ではありません。試料が理論の102%であっても、別の化合物でありえます。
よくある質問
- 収率の求め方は
- 実際の収量を理論収量で割り、100を掛けます。式が10グラム許すところで8.5グラムの生成物が得られたなら、8.5 ÷ 10 = 0.85で85%です。理論収量は測られることがなく、限定試薬と釣り合った式から出ます。代わりに百分率と2つの質量のうち片方があるなら、このページが足りないほうの質量を出します。同じ割り算が3つの向きすべてを覆います。
- 収率が100%を超えるのはなぜか
- 生成物が式の言うより重いからです。よくある原因は乾いていないことで、残った溶媒や水が生成物として量られます。もうひとつの原因は汚れで、未反応の原料、副生成物、乾燥工程の乾燥剤などです。本物の余剰であることはまずありません。反応は限定試薬が許す以上の生成物を作れないからです。100%を超える数に何か読み取る前に、試料を乾かしてはかり直してください。
- 理論収量と実際の収量の違いは何か
- 理論収量は化学量論が予告する量で、限定試薬とそのモル質量、そして釣り合った式からの計算です。実際の収量は後処理のあとに手元にあるもので、はかりから来ます。したがって理論収量は上限で、きれいな実験では実際の収量はそこかその下になります。両者を区別しておくことが大事なのは、間違う理由が違うからです。片方は式が悪くて、もう片方は実験台での悪い一日で間違います。
- 2つの質量は同じ単位でなければならないのか
- 同じ物質でなければなりません。質量の単位はどれでも百分率は同じになります。同じ種類の量どうしの比だからです。それぞれの欄にグラム、ミリグラム、キログラムの選択があるので、10グラムと8,500ミリグラムを入れても、このページは割る前に換算します。できないのは物質を混ぜることです。反応の収率は生成物の質量どうしを比べるもので、試薬の質量と生成物の質量を比べることはありません。
- 多段階の合成の全体収率はどう求めるのか
- 段階ごとの収率を掛け合わせます。平均してはいけません。それぞれ90%の3段階なら0.9 × 0.9 × 0.9 = 0.729、全体で72.9%で、90%の10段階では34.87%しか残りません。この減り方があるので、どの段階も立派な収率に見える長い合成が、最後にはがっかりする量しか残さないことがあります。このページの表が段数をいくつも並べているのはそのためです。
参考文献
- SI Units — 物質量(amount of substance)とその単位モル — National Institute of Standards and Technology (NIST)
- Standard Atomic Weights — 有効数字4桁に簡略化した値 — Commission on Isotopic Abundances and Atomic Weights (CIAAW), IUPAC
- IUPAC Gold Book — 物質量(amount of substance)の定義 — International Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC)
- 国際単位系(SI)とは — 産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)