犬のチョコ中毒計算
計算結果
テオブロミンとカフェインの摂取量
- メチルキサンチンの総摂取量
- 115 mg
- 胃腸症状を起こす量
- 87 g
- けいれんを起こすおそれのある量
- 261 g
この犬のチョコ中毒計算は、犬がテオブロミンとカフェインをどれだけ摂取したか、そしてその用量が何を引き起こしそうかを計算します。体重・チョコレートの種類・食べた量を入れると、答えは体重1 kgあたりのミリグラム、つまり公表されているすべての閾値が書かれている単位で返ります。あわせて、胃腸の不調が出る量とけいれんのおそれがある量も出ます。チョコレート中毒は白黒の問いではなく用量の問題です。ダークチョコレートと純ココアパウダーは1グラムあたりのメチルキサンチンが最も多く、ホワイトチョコレートにはほとんどありません。そして3 kgの犬と30 kgの犬では、同じ板チョコでも受ける影響がまったく違います。
チョコレートの種類ごとのテオブロミンとカフェインの量
| チョコレートの種類 | メチルキサンチン(mg/g) |
|---|---|
| ホワイトチョコレート | 0.04 |
| ミルクチョコレート | 2.3 |
| セミスイートチョコチップ | 5.6 |
| ダークチョコレート、カカオ65% | 10.1 |
| カカオ豆の外皮/マルチ | 9.0 |
| 無糖の製菓用チョコレート | 15.5 |
| 純ココアパウダー | 28.5 |
獣医毒物学の数値で、テオブロミンとカフェインを合わせた量をチョコレート1グラムあたりのミリグラムで表しています。製品をまたいだ平均値です。板チョコのカカオ含有量はブランドによって違うので、70%のダークチョコレートと85%のものは同じではありません。園芸用に売られているカカオ豆のマルチを入れてあるのは、同じ豆からできていて犬が食べてしまうからです。一覧はホワイトチョコレートの0.04 mg/gから純ココアパウダーの28.5 mg/gまでで、最も弱いものと最も強いものの間に700倍以上の開きがあります。
体重1 kgあたりのメチルキサンチン量と、その用量で起きること
| 用量 | その用量で予想されること |
|---|---|
| 20.0 mg/kg未満 | この帯ではほとんどの犬に何も現れません。閾値は症状が報告され始める用量であって、それ以下ならチョコレートが無害だという線ではありません。ミルクチョコレートをたくさん食べた小型犬なら、一度は電話で相談する価値があります。 |
| 20.0〜39.9 mg/kg | よく見られるのは嘔吐と下痢で、落ち着かなさを伴うこともあります。多くの犬は支持療法で回復しますが、吐かせるべきかどうかは獣医が決めることで、それには時間の制限があります。 |
| 40.0〜59.9 mg/kg | この帯では心拍の亢進、血圧の上昇、不整脈が起こりうるようになります。ここでは受診は任意ではなく前提で、心拍数を監視する価値があります。 |
| 60.0〜99.9 mg/kg | この用量では筋肉の振戦、けいれん、体温の上昇が報告されています。緊急事態です。今すぐ救急動物病院か中毒相談窓口に連絡し、症状が現れるのを待たないでください。 |
| 100.0 mg/kg以上 | 100 mg/kg以上の用量は犬に対して致死的となったことがあり、報告されている致死量は100〜200 mg/kgです。すぐに獣医か動物中毒相談窓口に連絡してください。指示されない限り吐かせてはいけませんし、症状を待ってもいけません。 |
帯は獣医毒物学の文献で報告されている閾値で、どんな大きさの犬にも当てはまるように体重1 kgあたりで表しています。症状が最初に報告された用量であって安全線ではありません。20 mg/kg未満なら何も起きないという保証はありませんし、すでに具合の悪い犬、非常に若い犬、非常に高齢の犬、特定の薬を飲んでいる犬は、表より低い用量で反応することがあります。テオブロミンの致死量は100〜200 mg/kgと報告されています。
公式
メチルキサンチン量(mg)= 食べた量(g)× チョコレートの種類ごとの含有量(mg/g)。用量(mg/kg)= メチルキサンチン量 ÷ 体重(kg)。胃腸の不調が出る量 = 20 mg/kg × 体重 ÷ 含有量、けいれんのおそれがある量 = 60 mg/kg × 体重 ÷ 含有量
- 体重
- 犬の体重(kg)。用量の割る数なので、体重が半分になれば同じ板チョコでも用量は2倍になります
- チョコレートの種類
- チョコレートの種類。1グラムあたりのメチルキサンチン量は獣医毒物学の表から取り、ホワイトチョコレートの0.04 mg/gから純ココアパウダーの28.5 mg/gまで、700倍以上の幅があります
- 食べた量
- 食べた量(g)。標準的な1.55 ozのミルクチョコレートが43 g、チョコチップ1粒がおよそ0.5 gです
- メチルキサンチン量
- 摂取したテオブロミンとカフェインの合計。毒物学の表が2つをまとめて報告しているので、ここでもまとめて数えます。同じ受容体に働くためでもあります
- 用量
- 体重1 kgあたりのメチルキサンチン量で、小数第1位まで。獣医や中毒相談窓口に伝えるべき数です。閾値がこの単位で書かれているからです
犬がチョコレートを食べた直後の数分間に、その犬がどれだけ危険な状態にあるのか、次の電話を動物病院にかけるべきかどうかを知りたいときに使います。その電話の代わりではなく、電話の前に走らせる価値もあります。用量・チョコレートの種類・体重・食べた時刻は、獣医や中毒相談窓口が必ず聞く4つで、それを用意しておくと漠然とした報告がトリアージに変わります。牛乳板チョコから純ココアパウダー、カカオ豆の外皮(ガーデニング用のマルチ)まで、よくある出どころはすべて扱っています。マルチは食べ物に見えないので忘れられがちな形です。包装された板チョコを食べた場合は、入れる重さはチョコレートの分であって包装の分ではないことに注意してください。
計算例
100 gのミルクチョコレートを半分食べた10 kgの犬
- ミルクチョコレートは1グラムあたり2.3 mgのメチルキサンチンを含みます
- 50 g × 2.3 mg/g = 115 mg
- 115 mg ÷ 10 kg = 11.5 mg/kg
- 胃腸の不調は20 mg/kgあたりから始まるので、この犬では87 g。50 gはそれより下です
- けいれんは60 mg/kgあたりから報告されていて、そこに届くには261 g必要です
これが最もよくある実際の相談で、答えはたいてい安心できるものです。11.5 mg/kgは、胃腸の症状が報告され始める20 mg/kgを大きく下回っています。同時に、用量だけでなく2つのグラム数のほうが大事な理由も示しています。50 gはチョコレートとしては多く聞こえますが、この犬がけいれんの閾値に届くには261 g必要です。
同じ50 gをダークチョコレートで食べた場合
- カカオ65%のダークチョコレートは1グラムあたり10.1 mgのメチルキサンチンを含みます
- 50 g × 10.1 mg/g = 505 mg
- 505 mg ÷ 10 kg = 50.5 mg/kg
- これは上のミルクチョコレートの例の2.5倍の用量で、チョコレートの重さは同じです
- 50.5 mg/kgは40〜59.9 mg/kgの帯に入り、心臓への影響が報告される範囲です
2つの例を並べれば、この計算ツールの意味は明らかです。同じ犬、同じ50 gで、片方は無害でもう片方は受診です。チョコレートの量は何も変わっていません。変わったのはカカオの含有量だけで、それによって用量が4.4倍になりました。
無糖の製菓用チョコレートを60 g食べた5 kgの犬
- 無糖の製菓用チョコレートは1グラムあたり15.5 mgのメチルキサンチンを含みます
- 60 g × 15.5 mg/g = 930 mg
- 930 mg ÷ 5 kg = 186 mg/kg
- 100 mg/kgを大きく超え、致死量が報告されている範囲に入っています
- この犬では、けいれんの閾値に届くのに19 gで足りました
小さな犬と製菓材料の組み合わせは最悪で、しかも珍しくありません。チョコレートは開いたボウルに入っていて、甘くなく苦いので、60 gは大さじ山盛り2杯ほどです。186 mg/kgは緊急事態で、グラム数がその理由を語っています。この大きさの犬は、けいれんの閾値まで19 g、胃腸の不調まで6 gです。
適用限界
このページは、動物病院に行くべきかどうかを判断できません。用量と公表されている閾値を示して、獣医・救急動物病院・動物中毒相談窓口がトリアージできるようにするものですので、チョコレートを食べた犬は必ずそのどれかに相談してください。閾値は獣医学の文献で症状が最初に報告された用量であって、それ以下なら何も起きないという安全線ではありません。テオブロミンの致死量は100〜200 mg/kgと報告されていて、犬によるばらつきも大きいです。症状を待たずにすぐ連絡してください。嘔吐・落ち着かなさ・心拍の亢進・振戦は数時間かけて現れ、早く始めた治療のほうが効きます。市販の板チョコのメチルキサンチン量は平均値であって、表示された数ではありません。カカオ含有量はブランドごとに違い、70%と表示されたダークチョコレートは85%のものと同じではありませんし、ホワイトチョコレートもゼロではありません。チョコレートは糖と脂肪も連れてくるので、テオブロミンの少ない製品を大量に食べた犬でも脂肪だけで具合が悪くなることがあります。包装やアルミホイル、レーズンやマカダミアが入っていれば、それは独自の閾値を持つ別の中毒です。この計算ツールが扱うのは犬だけです。同じ化合物は猫にも作用しますが、数値も対応も異なります。
よくある質問
- 犬にとってどれくらいのチョコレートが中毒になるのか
- 犬の体重とチョコレートの種類で決まるので、答えは量ではなく用量になります。胃腸の症状はテオブロミンとカフェインを合わせて体重1 kgあたり約20 mgから報告され、心臓への影響は約40 mg/kg、けいれんは約60 mg/kg、致死量は100 mg/kgからです。例を挙げると、10 kgの犬はカカオ65%のダークチョコレート59 gでけいれんの閾値に届きますが、ミルクチョコレートなら261 g必要です。同じ犬、同じチョコレートの量で、用量は4倍違います。
- テオブロミン中毒の症状はどんなものか
- まず嘔吐と下痢が、ふつう数時間以内に現れ、落ち着かなさや多飲を伴うことがあります。用量が上がるにつれて症状は心臓と神経に移ります。心拍の亢進、不整脈、血圧の上昇、そして筋肉の振戦、けいれん、体温の上昇です。重症例は心不全に至ることがあります。症状は数分ではなく数時間かけて進むので、チョコレートを食べた直後に平気に見える犬が「セーフ」なわけではありません。だからこそ、様子を見るのではなく用量を計算する価値があるのです。
- ダークチョコレートはミルクチョコレートより本当に危険なのか
- はい、そして多くの人が思う以上に危険です。メチルキサンチンの量はカカオ固形分とともに増えます。ミルクチョコレートは約2.3 mg/g、カカオ65%のダークチョコレートは約10.1 mg/g、無糖の製菓用チョコレートは約15.5 mg/gなので、同じ重さの板チョコで4倍から7倍の用量になります。純ココアパウダーはさらに強く、約28.5 mg/gです。ホワイトチョコレートだけは0.04 mg/gで外れており、事実上ゼロに近いので、脂肪と糖のほうが大きな問題になります。
- ココアパウダーとカカオマルチのメチルキサンチン量はどれくらいか
- 純ココアパウダーはテオブロミンとカフェインを合わせて1グラムあたり約28.5 mgで、一覧の中で最も高い数値です。カカオ豆の外皮、つまり園芸用のマルチは約9.0 mg/gです。カカオマルチが人を驚かせるのは、食べ物に見えないうえに園芸用として売られているからですが、同じ豆からできていてテオブロミンはそのまま残っています。マルチの敷いてある花壇を食べた犬はチョコレートを食べた犬として扱うべきで、しかも量が分からないことが多いので、計算するより動物病院に連絡する理由になります。
- 計算ツールではなく動物病院に連絡すべきなのはどんなときか
- チョコレートを食べた犬はすべて獣医か動物中毒相談窓口に連絡してください。しかも計算のあとではなく、すぐにです。計算ツールを先に使ってよいのは1分か2分で終わるときだけです。体重・チョコレートの種類・量・食べた時刻は獣医が必ず聞きますし、mg/kgの用量があると漠然とした報告がトリアージに変わります。症状が現れるのを待たないこと、獣医に指示されない限り吐かせないこと、レーズンやマカダミア、砂糖を使わない甘味料が入っていたなら必ず伝えてください。それらは別の中毒で、チョコレートそのものより危険です。
参考文献
- Chocolate Toxicosis in Animals — MSD Veterinary Manual
- Nutritional Requirements and Related Diseases of Small Animals — MSD Veterinary Manual
- Global Nutrition Guidelines — World Small Animal Veterinary Association